大学入学共通テスト2日目 理科 数学の試験実施 予備校の分析は

49万人が出願している「大学入学共通テスト」は14日、2日目の試験が行われました。沿線火災の影響や監督者の対応ミスで試験開始が繰り下げられた会場がありましたが、全国的には大きな混乱なく2日間の日程が終了しました。

ことしで4回目となる大学入学共通テストは49万1914人が出願し、13日と14日の2日間、全国668の会場で本試験が実施され、2日目は理科と数学の試験が行われました。

このうち、東京・目黒区の東京工業大学では、受験生たちが予備校の教員や家族から激励を受けながら試験会場に入っていきました。

共通テストを実施する大学入試センターによりますと、浜松市の静岡文化芸術大学の会場では、沿線火災の影響で公共交通機関が遅れたため、「数学1」を受けた470人全員の試験開始が20分繰り下げられました。また、神奈川県平塚市の東海大学の会場では、監督者の対応ミスで「数学2」を受けた107人の試験開始が110分繰り下げられました。

このほか、カンニングペーパーを使用するなどの不正行為が13日と14日であわせて4人確認されましたが、全国的には大きな混乱なく2日間の日程が終了しました。

能登半島地震の影響や新型コロナなどで本試験を受けられなかった受験生のための追試験は、今月27日と28日に行われます。会場は東京と京都のほか、能登半島地震の特例措置として石川県の金沢大学にも設けられます。

【大手予備校の分析】「来年以降の再編を想定した問題も」

ことしの大学入学共通テストは、現在の6教科30科目で出題される最後の試験となりました。来年からは新しい学習指導要領に対応して、現在の6教科30科目から「情報」を含む7教科21科目に再編されます。

大手予備校では7教科21科目に再編される来年以降を想定した問題も出題されたと分析しています。

ことしの問題について、共通テストを独自に分析している大手予備校の「河合塾」では、「日本史B」で、日本史探究部の高校生の発表原稿をもとにした問題や、中世の特色を調べる高校生の会話を素材とした問題が出されたことを挙げ、来年から出題科目の再編で加わる「日本史探究」を意識した場面設定がなされたと分析しています。

また「世界史B」では、すべての大問で、歴史の資料やグラフなど複数の資料から必要な情報を読み解く問題が出されたことを挙げ、来年の科目再編で登場する「歴史総合、世界史探究」の試作問題と類似すると分析しています。

このほか、「国語」は全体的にはオーソドックスな出題でやや易しくなったとする一方、「英語」は大問構成や出題のねらいに大きな変化はないものの、去年と比較して出題の分量が200語程度増加したとして、やや難しくなったなどと分析しています。

河合塾教育企画開発部の浅野晴久部長は「どの教科も文章や図表、資料をしっかり把握したうえで、設問の意図を正しく把握して解く力や実践的な場面で活用するような力を問う出題になっていた。来年以降のテストも単なる知識だけではなく、それを活用する力がより求められるほか、文章量も増えていることから時間内に正確に読み解く力を身につけていく必要がある」と話していました。