大学入学共通テスト始まる 被災地の受験生「不安だった」

大学入学共通テストが13日から始まり、能登半島地震で被害を受けた新潟県や石川県でも受験生が試験に臨んでいます。

新潟県は8600人余りが受験

大学入学共通テストは13日から2日間の日程で行われ、新潟県内ではあわせて15の会場で8600人余りの受験生が試験に臨みます。

県内は大雪による交通への影響などが心配されましたが、いずれも予定どおり午前9時半から最初の地理歴史・公民の試験が始まりました。

このうち、370人余りが受験する新潟市西区の新潟国際情報大学では雪が降る中、受験生が緊張した様子で会場に向かっていました。

「地震あって不安だったがやるしかない」

高校3年生の男子生徒は、「やっとこの日が来たという思いです。地震もあって不安でしたが、今はやるしかないという気持ちです」と話していました。

高校3年生の女子生徒は、「ふだんからやってきたことを全力で出し切りたいです」と話していました。

受験会場では地震への対応も

新潟国際情報大学は、1月1日の地震による被害はありませんでしたが、試験中に緊急地震速報が出た場合、教室の近くに待機する警備連絡員が試験官に試験の中止を伝えるなどして対応するということです。

また、能登半島地震で被災し、本試験を受けられない受験生は1月27日と28日に追試験の対象となる特例措置が実施されます。

石川県では5200人余りが受験

石川県内では5200人余りが受験する見通しです。

能登半島地震で被災し本試験を受けられない受験生は、追試験の対象となるなど特例措置が実施されます。

大学入試センターによりますと、地震のあと石川県内の8つの試験会場の被害状況を調べた結果、いずれも使用できることが確認されたということで、13日は予定どおり試験が行われています。

県内では、あわせて5200人余りが受験する見通しで、このうち金沢大学の角間キャンパスには、テスト開始の2時間ほど前から受験生たちが次々と集まりました。

男子高校生「楽しんで試験に臨みたい」

内灘町から来た男子高校生は「お正月は地震が怖くてあまり勉強がはかどりませんでしたが、きょうは緊張せず、楽しんで試験に臨みたいです」と話していました。

県立七尾高校の3年生は金沢市のホテルに宿泊

被災地の七尾市にある県立七尾高校の3年生は、大学入学共通テストを受けるため140人余りが金沢市のホテルに宿泊していて、13日は朝早くから教員たちがお弁当のセットを用意し、次々と生徒たちに手渡していました。

被災地の高校生は

受験生のうち、村井※ハル奈さんと酒井優里さんは高校に入ってからずっと同じクラスの親友です。

地震が発生したとき、村井さんは宝達志水町の自宅の居間で勉強中でしたが、土壁がぼろぼろと崩れたり大きな時計が落ちてきたりして身の危険を感じたということです。

また、酒井さんは、余震が相次ぐ影響で精神的に落ち着かず、勉強時間が減ってしまったということです。

2人は学校が受験生のために開放した自習室で最後の追い込みの勉強を行ったということで、13日朝は、教員たちから「いつもどおりに」とか「逆境に勝つ」などと激励の言葉を受けながら、駅前のバス停から試験会場の金沢大学に向かいました。

※「揺」のつくりは「手へん」ではなく「いってんしんにょう」

酒井さんは「先生の励ましのおかげでリラックスできました。きょうは得意科目の英語なので頑張りたい」と話していました。

村井さんは「地震が起きる前から努力してきたことを、しっかり出し切れるようにしたい」と話していました。

大学入学共通テストは、本試験が13日と14日行われ、追試験が今月27日と28日に行われます。

能登半島地震を受け、石川県内の会場で受ける予定だった受験生は、被災の程度に関わらず全員が金沢大学の角間キャンパスでの追試験を受けられるなど、特例措置が実施されます。