【13日詳細】ガザ地区 死亡者のうち1万人以上が子どもか

ガザ地区では、12日もイスラエルの軍事作戦が行われ、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、南部ラファの住宅への空爆で赤ちゃんを含む複数の子どもなど9人が亡くなったと伝えています。
ガザ地区の保健当局は12日、これまでの死者数は2万3708人に上ると発表し、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」はこのうち1万人以上が子どもだとして、直ちに停戦するよう訴えています。

イスラエル “ジェノサイドにはあたらない”

犠牲者が増え続けるなかオランダ・ハーグのICJ=国際司法裁判所では12日、イスラエル軍の攻撃が、パレスチナ人に対するジェノサイド、集団殺害にあたるとして、南アフリカが提訴している訴訟の2日目の審理が行われました。

イスラエル側は「ハマスから国を守ろうとしている」などと述べ、戦っている相手はイスラム組織ハマスで、すべてのパレスチナ人ではないためジェノサイドにはあたらないと主張しました。

南アフリカは裁判所に暫定的な措置として、イスラエルに対し軍事作戦の即時停止などを命じるよう求めていて、一部のメディアはこれについて早ければ数週間で判断が示される見通しだと伝えています。

米軍 イエメンにあるフーシ派のレーダー施設を攻撃

アメリカ中央軍は声明を発表し、アメリカ軍が現地時間の13日午前3時半すぎイエメンにあるフーシ派のレーダー施設を攻撃したと明らかにしました。

船舶への攻撃を繰り返すフーシ派の能力の低下を狙ったもので、紅海に展開しているミサイル駆逐艦「カーニー」から発射された巡航ミサイル「トマホーク」で攻撃したとしています。

アメリカ軍は11日、イギリス軍と合同でフーシ派の複数の拠点を空爆していて今回の攻撃はそれに続くものだとしています。

米軍高官 “フーシ派への攻撃は計28か所”

アメリカ軍の高官は12日、記者団に対し、前日にイギリス軍と合同で行ったイエメンの反政府勢力、フーシ派への攻撃について「最初に攻撃したのは16か所で、その後、12か所について戦力などを有していると判断し攻撃した」と述べ、攻撃した場所は、あわせて28か所に上ったと明らかにしました。

そのうえで「使用した弾薬は150発以上だ」として、空や海からさまざまな兵器を用いて攻撃したとしています。また、フーシ派に与えた影響については「精査中だ」としながらも「フーシ派がこれまでと同じように攻撃を実行できるとは思えない」と述べ、攻撃は成功したと強調しました。

米ホワイトハウス “フーシ派の攻撃能力に打撃を与えた”

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は12日、記者団に対し、アメリカがイエメンで行った反政府勢力フーシ派の拠点への空爆について「標的はすべてフーシ派にとって軍事的に非常に重要なものだった」と述べて、フーシ派の攻撃能力に打撃を与えたという見方を示しました。

さらに「われわれはイエメンとの戦争などいかなる軍事衝突も望んでいない」と述べて、空爆はあくまで船舶への攻撃に対する報復措置だと強調しました。

バイデン大統領 “船舶攻撃続けばさらなる措置”

アメリカ軍は、フーシ派が紅海を航行する船舶への攻撃を繰り返していることを受け、11日、イギリス軍と合同でイエメンにあるフーシ派の複数の拠点を空爆しました。

バイデン大統領は声明で「必要であればさらなる措置を命じることもちゅうちょしない」と強調し、アメリカ財務省も12日、フーシ派を資金面で支援しているなどとして、国外の2つの企業に資産凍結などの制裁を科したと発表しました。

一方、フーシ派は空爆で5人が死亡したと明らかにするとともに、パレスチナに連帯する立場から、ガザ地区への軍事作戦が終わらないかぎりイスラエルやアメリカへの攻撃を続けると主張し、戦闘の拡大が懸念されています。

イエメン首都で大規模な抗議デモ

アメリカ軍などによるイエメンの反政府勢力フーシ派への攻撃に対して、フーシ派が掌握する首都サヌアの広場では12日、大規模な抗議デモが行われました。

フーシ派がSNSに投稿した映像には多くの人が広場に集まり、「アメリカに死を、イスラエルに死を」などと書かれた看板を手にフーシ派への攻撃を行ったアメリカや、ガザ地区へ攻撃を続けるイスラエルに対して、抗議の声を上げていました。

また広場には「ガザ」と書かれた横断幕や、パレスチナの大きな旗などが掲げられ、人々はパレスチナへの連帯も示していました。さらにイスラエルと敵対するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの大きな旗も見られ、ともにイランの支援を受けるフーシ派とヒズボラの関係の近さもかいま見せていました。