【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月12日の動き)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いています。

戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる12日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 エストニアで支援訴える

ウクライナのゼレンスキー大統領はバルト三国を歴訪して各国に軍事支援の継続を訴えていて、このうち11日に訪れたエストニアでは、首脳会談のあとの記者会見で「戦闘を停止しても、戦争の終結にはならないし、対話にもつながらない。ロシアを利するだけだ」と訴えました。

また11日、エストニアの議会でも演説し、「われわれはこの戦いに勝たなくてはいけない。この戦いは、ウクライナだけでなくロシアと国境を接するすべての国の運命を決める」と述べました。

そのうえで、EU=ヨーロッパ連合のウクライナに対する巨額の資金支援の協議がハンガリーの反対でまとまっていないことについて、「この支援がなければわれわれが生き残ることは非常に難しい」と述べ、支援の必要性を訴えました。

ゼレンスキー大統領はそのあとに訪れたラトビアでも、「紛争を凍結させてはいけない。ロシアに強力な反撃の準備をさせてはいけない」と述べるなど、現時点で停戦したとしても、ロシアに兵力増強の時間を与えることになりさらなる侵攻につながりかねないとして、徹底抗戦する考えを改めて強調しました。

ロシア “50万人以上が兵役に就いた”

ロシアの安全保障会議のメドベージェフ副議長は11日、軍の追加人員に関する会議で、「去年1年間で契約軍人を中心に50万人以上が兵役に就いた」と明らかにしました。

プーチン政権は2022年9月、30万人規模の予備役の動員に踏み切りましたが、国民の間で不安や反発が広がり、その後は高額の報酬などを示しながら契約軍人を募り、兵員を補充しています。

ウクライナ検事総長 “北朝鮮の短距離弾道ミサイルと確認”

ウクライナのコスティン検事総長は11日、「ロシア軍が北朝鮮製のミサイルを使用した証拠を手に入れた」と述べたうえで、ミサイルの残がいなどを捜査した結果、1月2日に東部ハルキウをロシア軍が攻撃したミサイルは北朝鮮の短距離弾道ミサイルだと確認したと明らかにしました。

また最近、ハルキウ州と南部オデーサ州でロシア軍が攻撃に使った別のミサイルの残がいについても、北朝鮮製の可能性がないか捜査を行っているとしています。

米国務省 “ロシアに制裁を科す”

アメリカのバイデン政権は、ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受けウクライナに対して相次いで発射したとして、同盟国などとともに国連の安全保障理事会の決議違反だと強く非難しています。

アメリカ国務省は11日、去年11月以降、北朝鮮からの弾道ミサイルの調達や実験に関わったとして、ロシア国営の航空輸送を行う企業など、3つの団体と幹部1人に制裁を科すと発表しました。

ブリンケン国務長官は声明で、「ミサイルの調達はロシアによる武力行使を支援し、ウクライナ市民の苦しみを増大させ、世界の核不拡散体制を弱体化させる」と非難するとともに、今後、さらなる制裁を科すことも辞さない姿勢を示しました。

北朝鮮 “いいがかり”と反発

1月10日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、アメリカや日本などは、ロシアが去年の年末以降、ウクライナに対して行った大規模な攻撃で、北朝鮮から供与された弾道ミサイルが使われたとして、安保理の決議違反だと強く非難しました。

これについて、北朝鮮のキム・ソン国連大使は12日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表しました。

このなかでは「アメリカは議題と全く関係なく、わが国に言いがかりをつけた。アメリカの根拠のない非難にいちいち論評する必要を感じない」と反発しました。

そのうえで「ウクライナの事態は徹頭徹尾、ロシアの正当な利益を侵害する、アメリカの対決政策によって生じたものだ」と主張し、改めてロシアを擁護しています。