大学入学共通テスト 各地で準備進む 被災の受験生は追試対象に

49万人が出願している「大学入学共通テスト」が13日から始まるのを前に、試験会場となる各地の大学では準備が進められています。一方、能登半島地震で被災し本試験を受けられない受験生は、追試験の対象となるなど特例措置が実施されます。

大学入学共通テストは、大学入試センター試験に代わって2021年から始まり、今回が4回目となります。思考力や判断力などが求められる問題が重視され、全国864の大学などの入試に利用される予定です。ことしで4回目となる今回のテストは、本試験が13日・14日の2日間の日程で行われ、全国668の会場でおよそ49万人が受験する予定です。

前日の12日、東京 渋谷区の青山学院大学では1604人が受験する試験会場となっていることから、職員らが正門前に看板を設置したり、机に受験番号を貼ったりして準備を進めていました。

共通テストをめぐっては、過去にスマートフォンを使った不正行為もあり、大学では電子機器類を使用しないよう受験生に呼びかける掲示も行っていました。

今回の試験は、新型コロナの位置づけが「5類」に移行されたことから、試験中のマスク着用は不要となり個人の判断となります。

ただ、この大学では、新型コロナ対策として設けてきた看護師が待機する救護所をことしも設置し、受験生の体調不良に備えることにしています。

青山学院大学入学広報部の中丸玲奈さんは「受験生に安心して臨んでもらえるよう、しっかりと準備をしています。当日は心と時間の余裕を持って会場に来てほしい」と話していました。

一方、13日からの本試験を能登半島地震で被災して受けられない受験生は、1月27日と28日に行われる追試験の対象となるなどの特例措置が実施されます。

石川県内で受ける予定だった受験生は全員が追試験の対象

ことしの大学入学共通テストは、新型コロナの「5類」移行後初めて行われます。また出題教科と科目は、来年(2025年)から7教科21科目に再編されるため現在の6教科30科目としては最後の年になります。

【前回からの変更点】
今回の試験では、新型コロナの位置づけが「5類」に移行されたことを受け、前回まで求められていた試験中のマスク着用は不要となり個人の判断となります。

前回は47都道府県に設けられていた追試験の会場は、東京と京都、それに能登半島地震を受けて追加された石川県の金沢大学の3か所のみの設置となります。

本試験を石川県内の会場で受ける予定だった受験生は、被災の程度にかかわらず、全員が金沢大学での追試験の対象となっています。

【出題教科と科目】
大学入学共通テストの現在の出題教科や科目は、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目です。一方、来年からは、新たな学習指導要領に対応して、高校で必修となった「情報1」が追加されるなど、7教科21科目に再編されます。

原則、すべての国立大学で来年の共通テストから、現在の「5教科7科目」に新たに「情報」を加え「6教科8科目」を課すことが決まっています。