去年の梅毒感染者 1万4906人 3年連続過去最多を更新

去年1年間に全国から報告された性感染症の梅毒の感染者数は、速報値で1万4906人に上ったことが、国立感染症研究所のまとめで分かりました。感染者数は3年続けて過去最多を更新していて、専門家は「身近な病気になってきているので、ためらわずに検査を受けてほしい」と話しています。

国立感染症研究所によりますと、去年1年間に全国から報告された梅毒の感染者数は速報値で1万4906人と、おととしから1940人増え、現在の方法で統計を取り始めて以来、最も多くなりました。

過去最多を更新するのは3年連続です。

都道府県別では、
▼東京都が3658人、
▼大阪府が1967人などと大都市圏で多くなっていますが、
おととしからの増加率を見ると、
▽長崎県が146人で2.81倍、
▽鳥取県が28人で2倍、
▽山形県が31人で1.94倍などと
各地で急増していて、専門家は「流行しているのは大都市だけでなく、身近な病気になってきている」と指摘しています。

梅毒は薬で治療できますが、放置すると深刻な症状が出ることがあり、妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」を引き起こすこともあります。

日本大学医学部の川名敬主任教授は「梅毒は感染力が強く、1回の性交渉で感染しうる性感染症だ。コンドームを使うなど予防に努めることが大事だが、感染しても簡単な治療で治るので、ためらわずに検査を受けてほしい」と話しています。