エクアドル大統領 “国内は戦争状態” 軍による作戦本格化へ

治安の悪化が深刻化している南米・エクアドルのノボア大統領は国内の状況について「戦争状態にある」との認識を示し、暴力を激化させている犯罪組織の壊滅に向けて軍による作戦を本格化させる方針を強調しました。

南米のエクアドルで9日、西部にある最大都市グアヤキルのテレビ局に武装集団が侵入し、生放送中のスタジオを一時占拠したほか、その後も各地で犯罪組織のメンバーが刑務所の職員を人質に取ったり、爆発物を爆発させたりするなど、暴力を激化させています。

エクアドルのノボア大統領は10日、地元ラジオ局のインタビューで「われわれは戦争状態にある。テロ組織に降伏することはない」と述べ、2万人以上いるとされる犯罪組織の壊滅に向けて軍による作戦を本格化させる方針を強調しました。

また、国内の刑務所が過密状態にあるとして、禁錮5年以上の罪で収監されている隣国・コロンビアの受刑者およそ1500人を母国に送還するとしています。

ノボア大統領は去年11月の就任以降、刑務所の新設など治安の回復を最優先に掲げてきましたが、一連の対応への犯罪組織の抵抗は激しさを増していて、治安状況のさらなる悪化が懸念されています。