“タリバン暫定政権が女性を恣意的に拘束” 国連が解放訴え

アフガニスタンでは、イスラム主義勢力タリバンによる統治が続く中、女性への抑圧がいっそう強まっていて、国連はタリバンの暫定政権が、服装に関する指針を守らない女性を恣意的に拘束しているとして解放するよう訴えました。

国連アフガニスタン支援団は11日声明を発表し、今月1日以降、タリバン傘下の勧善懲悪省や警察が、イスラム教徒の女性が人前で髪を隠すのに用いる「ヒジャブ」についての指針を強制する活動を行っていると指摘しました。

首都カブールや中部ダイクンディ州で、子どもを含む大勢の女性が拘束されたということで「服装規定を守らないという理由で恣意的に拘束されている」として深い懸念を表明し、タリバンの暫定政権に対し、直ちに解放するよう訴えています。

タリバンは2022年発表した「ヒジャブ」の着用についての指針で、▽女性は家族以外の男性の前では顔も覆うことを義務づけ、▽従わない場合は家族を拘束するなどの処罰をするとしていました。

国連の声明について、暫定政権の報道官はSNSに投稿し「プロパガンダであり、真実ではない」などと主張しています。

アフガニスタンでは、2021年のタリバンの復権後、女性の教育や就労が次々に制限されていて、女性への抑圧がいっそう強まっています。