シニア人材確保 定年退職後も働き続ける社員の待遇改善相次ぐ

人手不足などを背景にシニア人材を確保しようと、定年退職後も働き続ける社員などの待遇を改善するケースが相次いでいます。企業の中には、給与の水準を定年時とほぼ同じ水準まで引き上げる動きも出ています。

このうち大手菓子メーカーの「カルビー」は、60歳で定年退職したあとも最大で5年間は嘱託社員として働くことができる制度を設けていますが、ことし4月からこの制度を見直します。

具体的には▽65歳を超えて働くことができるようにするほか、▽給与の水準を定年時の70%程度から、ほぼ同じ水準まで引き上げます。

会社では嘱託社員のうち、高い専門性やスキルが認められた場合など、20%から30%程度を新たな制度の対象にしたいとしています。

また、住友化学は定年退職後も働き続けられる制度があり、60歳以上の社員の割合が今後、大幅に増えると試算しています。

このため、シニア人材の意欲を高めようとことし4月から定年を60歳から1年ごとに1歳引き上げて最終的には65歳に変更します。

定年退職後に嘱託の社員として再雇用するのではなく、定年を延長することで、正社員として働き続けることができ、給与水準は組合員の場合、60歳時点の9割程度まで引き上げます。

会社によりますと、生産現場や研究分野で働く若い世代への技能を伝承する役割も期待しているということです。