国連安保理 フーシ派による紅海での船舶攻撃 非難の決議案採択

イエメンの反政府勢力、フーシ派が紅海で船舶への攻撃を繰り返していることを受けて、国連安全保障理事会では、攻撃を非難し直ちにやめるよう求める決議案を日本とアメリカが提出し、採決の結果、賛成多数で採択されました。

イスラエルと敵対するフーシ派は、イスラム組織ハマスとの連帯を掲げ、紅海を航行する船舶への攻撃を繰り返していて、これを受けて国連安保理では日本とアメリカが決議案を提出しました。

決議案は紅海でのフーシ派による商業船への攻撃を最も強いことばで非難したうえで、フーシ派に対して航行の自由と地域の平和を損なう攻撃を直ちにやめ、拘束している船や乗組員を解放するよう求めています。

この決議案について安保理の緊急会合で10日、日本時間の11日朝、採決が行われ、15か国のうちロシアや中国など4か国が棄権しましたが、残る11か国が賛成し、採択されました。

採決のあと日本の山崎国連大使は「この決議は、フーシ派の無責任な行動を容認できないという安保理の強いメッセージになる」と強調しました。

一方、棄権した中国の張軍国連大使は「今の紅海の緊張はガザでの紛争が波及したものだ。決議がガザでの即時停戦を明確に呼びかけていないのは遺憾だ」と述べました。

また、今回の決議では、船舶の航行権と自由を損なう攻撃に対して国連加盟国は自国の船を防衛する権利があることに留意するとしています。

これについてロシアのネベンジャ国連大使は「この決議によってアメリカが主導する有志連合の紅海での活動が正当化された訳ではない」と述べ、紅海でのアメリカ軍などの動きを強くけん制しました。