中国 習主席 モルディブ新大統領と会談 関係引きあげで合意

中国の習近平国家主席は、インド洋の島国モルディブのムイズ新大統領と会談し、両国関係をいっそう引きあげることで合意しました。中国としては、中国寄りの姿勢を強めるモルディブとの関係を強化し、インド洋一帯で影響力を拡大するきっかけにしたいねらいもあるとみられます。

中国の習近平国家主席は、10日、去年11月に就任したモルディブのムイズ新大統領と北京で会談しました。

中国外務省などによりますと、会談で習主席は「中国はモルディブが自国の国情にあった発展の道を探求することを尊重する」と述べ、ムイズ大統領は「中国はモルディブの経済社会発展に多くの貴重な援助を提供し、国民に多くの利益をもたらした」と応じたということです。

そして、両首脳は両国関係を包括的戦略協力パートナーシップに引きあげることで合意するとともにインフラに関するものなど20件の協力文書の署名に立ち会いました。

モルディブは、インド洋の海上交通路=シーレーンの真ん中に位置する戦略上重要な国で、隣国のインドと中国が影響力を競ってきましたがムイズ大統領は、前政権の親インド路線を見直し、中国寄りの姿勢を強めています。

中国としては、モルディブとの関係を強化し、国境をめぐって対立するインドへのけん制とともにインド洋一帯で影響力を拡大するきっかけにしたいねらいもあるとみられます。