【被害状況 11日】石川県で213人死亡 安否不明者37人(14時)

石川県によりますと、11日午後2時の時点で、県内で、あわせて213人の死亡が確認されたということです。

また、県は安否が分かっていない人として、37人の氏名や年齢などを公表し広く情報の提供を求めています。

各地の被害について、随時更新でお伝えしています。

《石川県》

213人死亡「災害関連死」の疑い8人(午後2時)

石川県によりますと、11日午後2時の時点で、県内で、あわせて213人の死亡が確認されたということです。

珠洲市で98人、輪島市で83人、穴水町で20人、七尾市で5人、能登町で4人、志賀町で2人、羽咋市で1人となっています。

このうち、「災害関連死」の疑いは、これまでに珠洲市の6人、能登町の2人のあわせて8人となっています。

内閣府によると、「災害関連死」は、地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気などが悪化したり、体調を崩したりして命が失われるケースを言います。

また、重軽傷者は、県内全体で少なくとも567人にのぼっています。

安否不明者37人(午後2時)

県は11日午後2時の時点で、安否が分かっていない人として、37人の氏名や年齢などを公表し、広く情報の提供を求めています。

今回の地震では、救助や捜索活動が続く一方、石川県内でどれだけの人が被害にあったのかは依然、分かっておらず、県は、被害を受けた地域にいたとみられる人の所在の確認を進めています。

県は11日午後2時の時点で、家族や親族などからの情報をもとに、自治体を通じてまとめた安否が分かっていない人、あわせて37人の名前、住所、性別、年齢、または年代を公表しました。

それによりますと、自治体ごとの内訳は
▽輪島市が33人
▽珠洲市が3人
▽七尾市が1人です。

年齢は、わかっている人で20歳から97歳となっています。

県は、この中には、転居などで連絡が取れないものの無事だった人が含まれている可能性があるとして、広く情報の提供を求めています。

連絡先は石川県危機対策課、076-225-1306です。

避難所に避難 2万3650人(午後2時)

石川県によりますと、県内の市や町が設ける避難所に避難している人は、400か所で2万3650人となっています。

自治体別にみると
▽金沢市が6か所で192人
▽七尾市が28か所で2008人
▽輪島市が167か所で1万562人
▽珠洲市が67か所で5319人
▽羽咋市が1か所で91人
▽かほく市が2か所で42人
▽津幡町が1か所で33人
▽内灘町が4か所で123人
▽志賀町が14か所で861人
▽宝達志水町が1か所で29人
▽中能登町が3か所で97人
▽穴水町が44か所で1884人
▽能登町が62か所で2409人となっています。

このほか県は、高齢者や妊婦など、配慮が必要な被災者とその家族を優先して旅館やホテルなど、「2次避難所」への受け入れを進めています。

加賀市と小松市にある旅館とホテル、あわせて7か所の2次避難所には227人が避難しているほか、被災者を一時的に受け入れる「1.5次避難所」である金沢市の「いしかわ総合スポーツセンター」には、161人が避難しています。

少なくとも1929棟の住宅被害確認(午後2時)

石川県によりますと、11日午後2時時点で県内では穴水町などで、少なくとも1929棟の住宅被害が確認されたということです。

一方、輪島市と珠洲市、かほく市、内灘町でも、多数の住宅に被害が出ていますが、依然として全体状況は把握できていないとしています。

自治体別にみると
▽金沢市で全壊が4棟
▽七尾市で全壊が225棟
▽加賀市で全壊が5棟、半壊が12棟、一部破損が98棟
▽羽咋市で全壊が15棟
▽白山市で一部破損が33棟
▽能美市で半壊が1棟、一部破損が76棟
▽野々市市で一部破損が5棟
▽川北町で一部破損が1棟
▽志賀町で全壊が8棟、半壊が15棟、一部破損が16棟、床上浸水が6棟、床下浸水が5棟
▽中能登町で全壊が20棟、半壊が11棟、一部破損が21棟
▽能登町で全壊が352棟、半壊または一部破損が多数
▽穴水町で全壊または半壊または一部破損が1000棟となっています。

能登町 避難所で体調不良訴える人増加 「災害関連死」の疑いも

石川県能登町では地震の発生から10日となり、避難所で体調不良を訴える人も増えています。

避難所で診療にあたる医師は災害関連死を防ぐには医療スタッフを増やすなど、医療体制の強化が必要だと訴えています。

今月1日の地震で震度6弱を観測した能登町小木の避難所には地震から10日となる今もおよそ110人が身を寄せていて、体調不良を訴える人が増えています。

能登町では秋田県の医師や看護師、それに薬剤師、8人からなるチームが町内の避難所を巡回して、被災者の診療にあたっています。

11日は発熱やせきなどの症状を訴える人を診察したり、薬を処方したりしていました。

避難を続けている50代の男性は「高齢者が多く避難生活が長引くにつれ体調不良を訴える人が増えています。医療チームの巡回はとても助かります」と話していました。

能登町では10日午後2時の時点で、避難所で体調を崩した高齢者2人が亡くなっていて、町は「災害関連死」の疑いがあるとしています。

町内には避難所が62か所あるということで、診療にあたった秋田赤十字病院の土佐慎也医師は「医療スタッフが足りず、まだ巡回できていない避難所があるのが現状だ。災害関連死を防ぐためにも医療体制の強化が必要だ」と話していました。

感染対策ポイントまとめたチェックシート作成

避難所での感染症の広がりを防ぐため、日本環境感染学会の支援チームなどはポイントをまとめたチェックシートを作成しています。

支援にあたる医療関係者や自治体職員などに向けて作られたもので、このうちのいくつを満たせば十分などといった基準があるわけではなく、避難所ごとに感染リスクを把握し改善に向けて支援するとともに、よりリスクが高い避難所の二次避難にもつなげていくことがねらいです。

チェックポイントまとめ
【避難所の環境】
▽居住エリアで1人当たり2畳分のスペースが確保され密集していないか
▽換気扇や空調設備による換気を常に実施しているか
▽窓やドアを開けて換気をしているか

【衛生物品】
▽マスクがある
▽体温計がある
▽消毒液がある

【手指衛生】
▽手洗いのための水が十分に供給されている
▽手洗い用の液体せっけんが使用できる
▽アルコールの手指消毒液が使用できる

【汚物処理】
▽20人に対して1つを目安に、避難者に対してトイレが十分にある
▽おう吐や下痢がある人のトイレを専用にしている

【体調管理】
▽毎日の避難者の症状を確認している
▽症状がある人について速やかな相談先や受診先がある

【症状がある人への対応】
▽別室に隔離できている
▽ついたてなどで覆っている
▽ほかの避難者から2メートル以上離している

過去の大規模な災害でも、避難所で感染症の患者が相次いだことがあります。

東日本大震災では、岩手県内の避難所で数十人規模でインフルエンザの患者がでたほか、2016年の熊本地震でも、南阿蘇村の避難所を中心にノロウイルスやインフルエンザの患者が相次いで確認されました。

チェックシートは、東日本大震災の直後に作成し今回の地震の発生を受けて改訂したものです。

作成した日本環境感染学会のDICT=災害時感染制御支援チームで、感染予防対策が専門の、東京医療保健大学大学院菅原えりさ教授は「感染症が専門の支援者では無くとも早い段階で課題を発見し、介入できるようにするために作成しました。人間が生きている以上感染症になるリスクは常にあるので、感染が発生したとしても小規模で終わるようにし、避難生活を健康に送ってもらえるようにしたい」とコメントしています。

《富山県》

県外で2人死亡

今回の地震では、富山市に住む中学1年の男子生徒が石川県輪島市に、同じく富山市の30代の女性が石川県珠洲市に帰省中に、住宅の倒壊に巻き込まれて亡くなりました。

43人けが

また富山県によりますと、県内では11日の時点で、43人がけがをして、このうち3人が重傷です。

市町村別では、富山市で18人、氷見市で9人、黒部市で5人、高岡市と射水市でそれぞれ3人、魚津市と小矢部市でそれぞれ2人、砺波市が1人です。

90人避難

自主避難所を含めてあわせて6か所で90人が避難生活を余儀なくされています。

市町村別では氷見市が自主避難所にいる10人を含めるとあわせて60人、高岡市が30人となっています。

2205棟で住宅被害確認(午後1時)

住宅への被害は11日午後1時の時点で、氷見市で38棟が全半壊、高岡市で8棟が半壊となるなどあわせて2205棟で被害が確認され、10日から330棟余り増えました。

市町村別では
▽射水市で626棟
▽高岡市で511棟
▽小矢部市で404棟
▽富山市で264棟氷見市で205棟
▽朝日町で52棟
▽上市町で35棟
▽滑川市で32棟
▽砺波市で21棟
▽入善町で18棟
▽魚津市で17棟
▽黒部市と南砺市でそれぞれ7棟
▽立山町で6棟で
舟橋村を除く14の市と町で被害が確認されています。

3330戸で水道復旧せず(午前11時)

また11日午前11時時点で、氷見市の1780戸で断水し、1550戸で生活用水として利用できるものの飲めない状態となっていて、あわせて3330戸で水道が復旧していません。

氷見市 災害廃棄物の仮集積所 混雑続く 平日利用呼びかけ

富山県氷見市に設けられた災害廃棄物の仮の集積所では、地震から1週間が過ぎても混雑が続いています。

市は、断水の解消が徐々に進み家に戻る人が増えているため、この週末は、さらに混雑する可能性もあるとして、平日の利用などを呼びかけています。

今回の地震で震度5強を観測した氷見市では、38棟が全半壊となるなど、あわせて205棟の住宅に被害が確認されていて、市では今月4日から鞍川地区の「ふれあいの森」第2駐車場に災害廃棄物の仮の集積所を設けています。

市によりますと、仮の集積所には10日までに、のべ1914件の災害廃棄物の持ち込みがあったということです。

持ち込みの件数自体は徐々に減ってはいるものの混雑はまだ続いていて、11日も車が列を作る様子が見られました。

受け付けを終えた人たちは、壊れたテレビや冷蔵庫、それにタンスなどを運び入れていました。

壊れた家具を持ち込んだ60代の男性は「集積所がすいているかなと思って来ましたが、捨てられるまでに30分ほどかかりました」と話していました。

市は、断水の解消が徐々に進み家に戻る人が増えているため、この週末は、さらに混雑する可能性もあるとして、平日の利用や、種類ごとに分別した状態で持ち込むことなどを呼びかけています。

氷見市環境防犯課の山本裕則主任は「壊れた壁材やガラスは少量であれば通常のごみ収集に出すこともできるのでそちらも活用してほしいです」と話していました。

また富山県によりますと、今回の地震による災害廃棄物の仮の集積所は氷見市のほかにも、射水市、高岡市、砺波市、南砺市、上市町でも設けているということです。

富山市郊外 被災の家具店 片づけ追われ 営業再開めど立たず

富山県では能登半島地震から1週間余りがたっても営業を再開できない事業所が数多くあり、家具店では11日も従業員が後片づけなどに追われていました。

富山市郊外に店を構え家具や雑貨、それに食品などを販売する「ファニチャーパークケースリー」は売り場面積が3000坪あり、長年、地元の人たちに親しまれていました。

しかし、今回の地震で2階の天井の一部が落ちたり、割れたガラスが商品の上に散乱したりしたほか、商品の家具が倒れて壊れました。

さらに、地震でスプリンクラーが作動したため、ベッドのマットレスやソファーなどの布製品がぬれてしまったということです。

地震の発生から1週間余りがたった11日も、従業員たち30人で店の後片づけや商品の被害の点検に追われていました。

2階は天井の修理に時間がかかる見通しで、店では比較的被害が少なかった1階の売り場だけでも先に営業を再開したいとしていますが、後片づけや商品の整理でまだ時間がかかりそうだということです。

家具店の運営会社「米三」の増山隆常務取締役は「マットレスやソファーは水にぬれたり、ガラスが飛び散ったりして売り物にならなくなってしまい、全体の被害はかなりの金額になります。本来は地震の翌日の2日から初売りの予定でしたが営業再開のめどは立っていません」と話していました。

《新潟県》

上越 漁船などに津波被害

新潟県上越市にある上越市大潟漁港には今月1日の能登半島地震のあと津波が押し寄せ、地元の漁協によりますと10隻ある漁船のうち8隻が転覆したり水につかったりして、このうち3隻は船底に傷がつくなどして修理が必要になっています。

また漁船を陸に引き上げる機械が津波で壊れたほか、網も流され、漁に出られなくなっているということです。

上越市の沖合では例年3月からタイやヒラメの漁が本格化しますが、漁協によりますと今回被害を受けた機械などの修理が間に合うかどうか見通せない状況だということです。

上越市漁業協同組合の平原信行理事は「修理にかなりの費用がかかってしまい、大きな打撃です。漁のシーズンまでに修理が間に合ってほしいが難しいのではないかと思う。能登半島と近いこともあり、また地震が起きて被害が出ることも怖いです」と話していました。

被害住宅2438棟 新潟市西区では週末も「り災証明書」受け付け

新潟県などによりますと地震の影響で県内では48人がけがをし、新潟市内の小学校に通う児童1人が帰省先の石川県内で被災し、亡くなりました。

11日までに県内で被害が確認された住宅は、10日から404棟増えて2438棟となりました。

内訳は▽全壊が10棟、▽半壊が273棟、▽一部破損が2140棟、津波による被害が▽床上浸水1棟、▽床下浸水14棟となっています。

新潟市に提出された「り災証明書」交付ための調査の申請は、11日までに6366件に上り、今後も住宅の被害件数が増えることが懸念されています。

液状化の被害が大きい新潟市西区は週末も区役所など4つの庁舎で、「り災証明書」申請の受け付けや土のう袋の配付などを行うことにしています。

週末も業務を行うのは▽西区役所と▽黒埼出張所、▽西出張所、▽中野小屋連絡所の4つの庁舎です。

一方、県などが受け付けている義援金には11日までに1600万円余りが寄せられ、今後、被害に応じて自治体に配分されるということです。

新潟市西区 保健師が住民の健康調査

液状化の被害を受けた住宅では、傾きの程度によってめまいや睡眠障害といった健康被害がみられるということで新潟市西区では、今月7日から区の保健師が液状化の被害を受けた住宅をまわり、聞き取りを行っています。

11日は14人が小針地区や寺尾地区で傾いていたり地面が隆起したりしている住宅を訪ね、症状がないかや、近くに相談できる人がいるかたずねました。

訪問を受けた人たちからは家族がこの先どうなるのかと考え込んでしまい不安を感じているという声や食欲がなく眠れないといった声があがり、保健師が書き留めていました。

訪問を受けた西村茂さんは「自宅が沈み、玄関のドアが開かなくなって被害に気付きました。こうしてまわってもらえて精神的に助かっています」と話していました。

西区役所健康福祉課の保健師、鈴木那央さんは「いま気を張っていても時間がたつとつらくなる人もいます。不安を話すだけでも気持ちが安定するので、ぜひ相談してほしいです」と話していました。

西区役所は心身に不調がある場合、区役所に相談に訪れてほしいと呼びかけているほか、新潟市保健所でも随時相談を受け付けているということです。

新潟市内 設備に被害ない宿泊施設でキャンセル相次ぐ

能登半島地震のあと、新潟市内では設備などに被害がない宿泊施設でキャンセルが相次いでいます。

新潟市を訪れることへの不安を理由にあげる人が多いということで、宿泊施設の関係者は「被害はなく通常どおり営業しているので利用を検討してほしい」と話しています。

新潟市によりますと能登半島地震のあと市内では大型ホテル7軒で宿泊や宴会のキャンセルが相次ぎ、今月1日から8日までの宿泊のキャンセルはあわせて850件余りにのぼります。

新潟市西蒲区の岩室温泉で昭和25年から営業を続ける温泉旅館でもキャンセルが相次ぎ今月の宿泊の予約は半分ほどにまで落ち込んだということです。

今月1日に地震が起きたときこの旅館では一時的に宿泊客に避難を呼びかけましたが、家具など倒れることはなく、電気やガスなどにも問題はないということです。

旅館では設備に問題がないことを説明していますが、新潟市を訪れることに不安を感じるという理由でキャンセルする人が多いということで、周囲の旅館などと対策を検討しているということです。

「高志の宿高島屋」の若おかみ、高島あずみさんは「かき入れ時にこのような事態になり頭が痛いです。旅館に被害はなく通常どおり営業しているので利用を検討してほしい」と話しています。

《学校施設・文化財など》

学校施設や文化財などの被害1339件 90校が休校(正午)

文部科学省のが11日正午時点の被害状況をまとめたところ、学校施設や文化財などの被害は1339件となり、90校が休校しています。

文部科学省が都道府県を通じてまとめた被害状況によりますと、小中学校や高校、それに大学などの学校施設は
▽新潟県で277校
▽富山県で271校
▽石川県で265校
など2府9県の830校で被害が確認されています。

また
▽体育館や図書館などの施設の被害は6県で354件
▽国宝や国の重要文化財などは4県で155件で
学校施設とあわせると1339件の被害が確認されています。

一方、11日時点の休校は
▽石川県で小学校が44校、中学校が19校、高校が20校、特別支援学校が3校などあわせて89校
▽新潟県で中学校1校となっています。

このうち
▽石川県の67校で再開のめどがたっていないということです。

文化庁 文化財被害で 現地調査へ

能登半島地震では世界遺産や国宝など文化財の被害も150件を超えていて、文化庁などは12日から現地で被災状況を調査し緊急の保全などにつなげることにしています。

文化庁が都道府県を通じて国宝や国の重要文化財などの被害状況をまとめたところ、11日正午までに、石川県、富山県、新潟県、岐阜県の4つの県であわせて155件の被害が確認されています。

これを受け文化庁は、国立文化財機構文化財防災センターの職員などとともに、被災地域の文化財の現地調査を始めるということです。

12日は、複数の場所で石垣が崩落する被害が確認されている国指定史跡の金沢城跡を調査するということです。

文化庁などは、調査をもとに、文化財の迅速な緊急保全や、今後の復旧工事への技術支援などを行うことにしています。

七尾 和倉温泉 ホテルなどで温泉が出ない状態に

石川県を代表する温泉地、七尾市の和倉温泉では、地元の旅館協同組合に20余りのホテルや旅館などが加盟していますが、今月1日の地震で建物が大きな被害を受けて、すべて休業しています。

建物の被害に加え、ホテルや旅館などでは温泉が出ない状態になっていることが新たに分かりました。

多くのホテルや旅館に温泉を供給している会社によりますと、地下の源泉から温泉をくみあげる配管が地震の影響で壊れたのが原因とみられるということです。

会社ではできるだけ、早期の復旧を目指しています。

和倉温泉観光協会では「ホテルや旅館は建物の被害が大きく、再開には時間がかかると思いますが、何とか温泉だけでも入ってもらえるように早く復旧させたい」と話していました。

石川県内 点灯しない信号機 116基(11日時点)

警察庁によりますと、石川県内では、今回の能登半島地震の影響で、点灯しなくなった信号機が、倒壊したものなども含め、148基に上りました。

一部は復旧しましたが、地震発生から10日が経過した11日の時点でも116基が点灯しない状態で、交差点など交通量が多い場所を中心に、警察官が手信号で交通整理にあたっています。

停電の影響によるものか、信号機自体が故障しているのか、原因の調査は進んでいないということで、復旧にはまだ時間がかかる見通しです。

13年前の東日本大震災の被災地では、停電の影響で信号機が点灯しない交差点での死亡事故も発生しています。

今回の災害で信号機が点灯していない場所の中には、警察官を配置できていないところがあり、道路の陥没なども各地で起きていることから、警察庁は被災地での不要不急、暗い時間の車の利用は避けるよう呼びかけています。

河道埋塞 輪島市と能登町の複数箇所で

今回の能登半島地震では、崩れた斜面の土砂が川を塞ぐ河道埋塞が少なくとも石川県輪島市と能登町の複数の箇所で起きています。国土交通省は、これまでより少ない雨で土砂災害が発生しやすい状況になっているとして注意を呼びかけています。

国土交通省によりますと、能登半島地震では斜面が崩れて土砂が川に流れ込む河道埋塞が少なくとも、輪島市の河原田川や能登町の山田川で確認され、土砂を取り除く工事が進められています。

今回の地震では土砂災害が広域に及んでいることから、河道埋塞はこのほかにも複数あるとみられ、国が調査を続けています。

国土交通省によりますと、現時点で川の水を大量にせき止めるような大規模な河道埋塞は確認されていません。

ただ、今後の雨で斜面がさらに崩れて土砂が川に流入するおそれがあるほか、せき止めた土砂が土石流となって流れ下る危険性もあることから、国土交通省はふだんよりも少ない雨でも土砂災害が起きやすくなっているとして注意を呼びかけています。