社会

羽田空港事故 日本航空パイロット“他機の離陸許可 通信なし”

羽田空港で起きた航空機どうしの衝突炎上事故で、海上保安庁の航空機は、事故の前、離陸許可を得たと判断したとみられていますが、日本航空機のパイロットは会社の聞き取りに対し「ほかの機体への離陸許可などの通信はなかった」と話していることがわかりました。国の運輸安全委員会は管制官との交信記録を詳しく分析し、当時の状況を調べています。

今月2日、日本航空の旅客機が羽田空港に着陸した直後に、滑走路上にいた海上保安庁の航空機と衝突して炎上した事故では、海上保安庁機が誤って滑走路に進入したとみられています。

事故のあと、海上保安庁の機長は「離陸許可をもらった」「エンジン出力を上げたところ後ろから突っ込まれた」と話したことがわかっています。

一方、日本航空機のパイロットは会社の聞き取りに対し「管制官から着陸許可を受領し、復唱した。その後、管制官からほかの機体への離陸許可などの通信はなく、静かな状態で着陸に集中できる状態だった」と話していることが新たにわかりました。

「着陸まで、滑走路上に異常は感じなかった」とも話しているということです。

日本航空機や管制官は、海上保安庁機が滑走路に進入したことに気がついていなかったとみられ、国の運輸安全委員会は管制官との交信記録を詳しく分析し、当時の状況を調べています。

機長ら 乗客の避難誘導 詳細判明

日本航空がパイロットに聞き取りを行い、その内容から機長と副操縦士2人が、当時、どのように乗客の避難誘導を行ったのか、詳細が判明しました。

それによりますと、操縦室では衝突した際の衝撃のあと、客室から、乗客に落ち着くよう呼びかける声が聞こえていたということです。

操縦室のドアは開いていて、駆けつけた客室乗務員の責任者から状況の報告があり、この前後には、火が出ているという声も聞こえていました。

そして、機内が緊急事態だと認識した機長が大声で緊急脱出を指示し、8つある非常用ドアのうち一番前にある左右の2つが開かれ、脱出用シューターが展開します。

副操縦士2人は前の方の乗客に対し、荷物を置いて前から脱出するよう大声で誘導しました。

拡声器を使い、後ろの方の乗客に対しても前から逃げるよう呼びかけました。

機長は、後ろに移動し、しゃがんでいる乗客を見つけ、前のほうへと誘導。

その後、再び、乗客が残されていないか確認しながら後ろのほうに移動し、機体中央と後方右側の合わせて5つの非常用ドアが使えないことを確認しました。

前の方の避難が落ち着き、副操縦士2人は後ろに向かいました。

後ろの方は煙が充満していて、1人が煙を吸わないためのマスクを取りに戻ろうとした際、乗客を発見して前のほうに誘導したということです。

2人は、後ろのほうに機長と客室乗務員がまだいるとわかっていたので、さらに後ろに向かいます。

機長は、前の方から副操縦士2人の声が聞こえ、後ろに来ると危ないと感じて2人とも前から逃げるよう指示しました。

最終的に、副操縦士2人と客室乗務員の責任者は逃げ遅れた乗客が前側にいないことを確認し、前方左側から、機長は、後ろ側に乗客がいないことを確認し、後方左側からそれぞれ脱出したということです。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。