ウクライナ ロシア西部に越境攻撃か ロシアも攻撃で応酬激化

ウクライナ軍は東部の国境に接しているロシア西部の州に対して越境攻撃とみられる動きを強めていて、侵攻するロシア側への揺さぶりを続けています。これに対し、ロシア側は「脅威を排除する」としたうえで、国境を接するウクライナ側の州で攻撃を続けていて、双方の応酬が激しくなっています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアの国防省は9日、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州で、ウクライナ軍がミサイルと無人機で攻撃をしかけ、これを迎撃したと発表しました。

ベルゴロド州では先月30日に、ウクライナ軍による攻撃で25人が死亡したと現地の州知事が発表していて、ウクライナ軍は最近、越境攻撃とみられる動きを強め、揺さぶりを続けています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官も9日、「この脅威を排除するためにあらゆる努力を行う」と述べ、強い警戒感を示しました。

一方、ベルゴロド州と国境を接するウクライナ東部のハルキウ州ではロシア軍の激しい攻撃が続き、10日、ハルキウの市長は市の郊外の子ども向けのキャンプ施設でロシア側から夜間、ミサイル攻撃があり、建物が被害を受けたと発表しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は9日、「ベルゴロド州との『緩衝地帯』を創設するため、ロシア軍がハルキウ州で大規模な軍事作戦を実施しようとする動きがでている」と指摘し、国境地帯で双方の応酬が激しくなっています。