新潟 上越 関川河口付近の津波 局地的に遡上高6m余に達したか

今月1日の能登半島地震で、津波による住宅被害などが出た新潟県上越市の関川の河口付近を専門家のグループが調べたところ、津波が駆け上がった遡上高(そじょうだか)が局地的に6メートル余りに達したとみられることがわかりました。海底地形が影響している可能性があるとして、さらに分析を進めたいとしています。

今月1日の地震で上越市には津波が押し寄せ、関川と支流の保倉川が合流する付近では、川を遡上した津波が堤防を乗り越えて、9日までに川沿いの住宅15棟で浸水被害が確認されています。

海岸工学が専門で早稲田大学の柴山知也教授の研究グループは、撮影された映像から、関川を遡上した津波の高さは河口の近くではおよそ1メートルだったと推定しました。

さらに、今月5日、現地調査を行ったところ、関川の河口から西に600メートルほど離れた海沿いにある船見公園で、建物の入り口付近や浜辺と公園を隔てる柵で、津波で漂着したとみられる木の枝や海草などを見つけたということです。

柴山教授はこの公園の付近では、津波が陸地を駆け上がった際の高さ=遡上高は最大で海面から6.58メートルに達したと分析しています。

局地的に津波が高くなった理由について柴山教授は、上越市の沖合の海底が比較的浅いことから、津波が集中した上、岬で津波が反射して高くなった可能性があるとして、今後、詳しく分析することにしています。

柴山教授は「あらかじめ、どこで津波が高くなるのか予測するのは難しい。住民はハザードマップを参考に迅速に避難することが必要だ」と話しています。