世界最大規模のテクノロジー見本市開幕 AI関連技術などに注目

世界最大規模のテクノロジー見本市が、アメリカのラスベガスで始まりました。生成AIの利用が世界で急速に拡大していることで、さまざまなAI関連の技術やサービスの展示が注目されています。

アメリカのラスベガスでは9日、国内外から4000社以上が参加し、世界最大規模のテクノロジー見本市、CESが開幕しました。

生成AIのChatGPTが2022年11月に公開されてからこの1年余りで生成AIの利用は世界で急速に拡大しています。

ことしのCESでは「生成AIの先」がキーワードとなっていて、さまざまなAI関連の展示が注目されています。

このうち、アメリカのスタートアップ企業は主に高齢者向けのロボットを展示しています。

人のことばや微妙な表情を生成AIが認識してロボットが自然に会話したり、ほほえみかけたりします。

また、オランダの企業は、声を出すのに障害がある人の声を生成AIによって復元し、会話できるシステムを開発しました。

また、ディスプレーのカメラで顔を30秒間、撮影するだけでAIが血圧や心拍数、血糖値に関するリスク、ストレス状態などを計測するシステムや、生成AI向けに開発された高性能な半導体なども展示されています。

CESは今月12日まで開かれ、およそ13万人の来場を見込んでいます。

生成AIの2023年の世界の市場規模 137億ドルと推計

カナダとインドに拠点を置く調査会社「プレセデンス・リサーチ」によりますと、生成AIは金融業界やロボット工学、ヘルスケアなどの幅広い分野ですでに活用され、2023年の世界の市場規模は137億ドル、日本円でおよそ2兆円と推計されています。

その後、世界の市場規模は毎年平均で27%程度拡大し、2032年には去年の9倍近くとなる1180億ドル、17兆円余りに達すると見込まれています。

アメリカ企業の間では活用が進んでいます。

アメリカの調査会社「ディマンドサージ」が今月、発表したデータによりますと、フォーチュン誌がまとめた売り上げに基づくアメリカの企業ランキング上位500社のうち、すでに92%を超える企業がChatGPTを利用しているということです。