ロシア ショイグ国防相 「戦略的な主導権を維持」と強調

ロシアのショイグ国防相は、軍事侵攻を続けるウクライナの戦況について「戦略的な主導権を維持している」と述べ、ロシア軍が主導権を握り戦闘を優位に進めていると強調しました。

ロシアのショイグ国防相は9日、軍司令官との会議のなかで、ウクライナ軍は去年1年間に21万5000人以上の兵士と2万8000以上の兵器を失ったとして「ウクライナ軍の戦力を着実に減らしている」と主張しました。

そして「前線ではわれわれが戦略的な主導権を維持している」と述べ、ロシア軍が主導権を握り、戦闘を優位に進めていると強調しました。

さらにショイグ国防相は「核の3本柱の戦闘準備を最高レベルに維持することが重要だ」と述べ、核兵器を搭載できるICBM=大陸間弾道ミサイル、潜水艦、そして戦略爆撃機などの核戦力を誇示し、対立する欧米諸国をけん制しました。

一方、ウクライナ軍は最近、ロシアに併合された南部クリミアでの軍事作戦を強めていて、今月4日にはクリミアのロシア軍施設をミサイルで攻撃しています。

これについてイギリス国防省は9日、この攻撃がクリミア上空でのロシア軍の防空能力を低下させた可能性が極めて高いと指摘しました。

またロシア軍が準備態勢を強化していたにもかかわらず攻撃を受けたことは、主要な拠点を守るロシア軍の防空能力に効果がないことを改めて露呈したとしていて、ロシア軍の防空態勢がぜい弱になっていると分析しています。