去年11月の実質賃金 前年同月比3%減 20か月連続でマイナス

物価の上昇が続くなか、去年11月の働く人1人あたりの実質賃金は前の年の同じ月と比べて3%の減少となり、20か月連続のマイナスとなりました。現金給与総額は過去最長に並ぶ23か月連続のプラスとなりましたが、賃金の引き上げが物価の上昇に追いつかない状況が続いています。

厚生労働省は全国の従業員5人以上の事業所、3万あまりを対象に「毎月勤労統計調査」を行っています。

去年11月の速報値が公表され、物価の変動分を反映した実質賃金は前の年の同じ月に比べて3%減少しました。

実質賃金がマイナスとなるのは20か月連続です。

基本給や残業代などをあわせた現金給与総額は1人あたり平均で28万8741円と前の年の11月と比べて0.2%増加して、23か月連続でプラスとなりました。

現金給与総額の23か月連続のプラスは1991年1月から翌年の11月にかけて続いたプラスの記録と並んで過去最長となりました。

厚生労働省は「現金給与総額のプラスが連続するのは31年ぶりとなり春闘の影響などの賃金引き上げへの機運は高い状態が続いている。しかし、物価の上昇が高い水準で推移し、実質賃金のマイナスが継続しているので、引き続き物価の状況を注視していきたい」としています。