去年の110番通報 おととしの同時期を上回る “緊急性なし”2割

去年、全国の警察が受け付けた110番通報は、11月末までに930万件余りで、おととしの同じ時期を80万件余り上回りました。緊急性がないと考えられる通報が依然2割近くを占めていて、警察庁は適切な110番の利用を呼びかけています。

警察庁によりますと、去年1月から11月までに全国の警察が受け付けた110番通報は930万3573件で、おととしの同じ時期を80万646件上回り、コロナ禍前、2019年の年間の通報件数も、11月の時点ですでに上回っています。

通報のうち、交通事故や違反に関するものが最多の287万件余りと全体の31%を占めていて、去年5月に新型コロナが5類に移行し、社会活動が活発化したことも通報の増加につながったとみられるとしています。

一方、交通渋滞や、子どもの遊び声に関する苦情など、緊急性がないと考えられる通報が19%を占めていて、警察庁は、事件事故への対応に支障が出るおそれもあるとして、適切な利用を呼びかけています。

警察はおととし10月から、スマートフォンを使って現場の映像を通報と同時に送信できるシステムを運用しています。

このシステムを利用した通報は全体の0.1%以下の8716件にとどまったものの、行方不明になった子どもの早期発見に役立ったケースや、送信された犯人の画像が検挙につながったケースがあったということです。