能登半島地震 日本経済への影響 “GDPを数百億円押し下げる”

能登半島地震が当面の日本経済に及ぼす影響について、民間の試算では、GDP=国内総生産を数百億円押し下げると見込まれています。ただ、被害の全容は分からず、実際の影響は幅を持って見る必要があるということです。

今回の地震で特に被害の大きい石川県は機械や半導体、食料品の工場が点在し、農業や水産業も盛んです。

輪島塗など伝統工芸品の産地としても知られています。

今回の地震の当面の経済への影響について、野村証券はGDPを230億円から500億円押し下げると予想しています。

石川県の輪島市、珠洲市など7の市と町で、2週間から1か月間、経済活動が停滞すると仮定して試算しました。

ただ、製造業などはサプライチェーンを通じて他の地域にも影響が及ぶおそれがあり、幅を持って見る必要があるということです。

SMBC日興証券はGDPを640億円押し下げると試算しました。

石川、富山、福井、新潟の4県で道路の寸断などで、3月ごろまで企業の生産活動などに制約が生じると仮定しました。

このうち、水産業や食料品製造業が盛んな能登地域では、被害の全容が分からず、停電や道路の寸断の影響が長引くことが懸念されるとしています。

試算を行ったSMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「GDPへの影響を数百億円規模と見込んでいるが被害の全体状況が分かっておらず、復旧の時期も見通せないため、影響については不透明な部分が多い」と話しています。