フィリピン 黒いキリスト像が4年ぶりにマニラ市内を練り歩く

フィリピンで触れると願いがかなうと信じられている黒いキリスト像が、コロナ禍での自粛を経て4年ぶりに首都マニラの市内を練り歩き、多くの人でにぎわいました。

「ブラック・ナザレ」と呼ばれる黒いキリスト像は、400年以上前にスペイン人によってフィリピンにもたらされたとされていて、触れると願いがかなうと信じられています。

毎年1月9日に山車に乗せられてマニラ市内を練り歩く伝統行事が行われてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間を経て、ことし4年ぶりに再開されました。

フィリピンは国民の9割余りがキリスト教徒で、集まった大勢の人はキリスト像に触れようと先を争って山車に近づき、なかには山車によじ登る人もいました。

また、近づくことが出来ない人たちはタオルを山車の上にいる人に投げて、自分の代わりに像に触れさせてもらっていました。

黒いキリスト像はマニラ市内を丸一日かけて練り歩き、人が密集した山車の周辺では熱中症とみられる症状で倒れる人も相次ぎ、道路脇に設けられた救護所に運び込まれていました。

山車の一部に触れることができた42歳の女性は「行事が再開されて、とてもうれしいです。脳卒中で倒れた父のために祈りました。父が私たちと一緒に長生きしてくれることを望んでいます」と話していました。