石川 穴水町 障害者施設 居住スペースに被害 体育館で共同生活

石川県穴水町にある知的障害者などが暮らす施設では地震で利用者の居住スペースが大きな被害を受けたことから、体育館での生活を余儀なくされています。

重度の知的障害者など100人余りが暮らしている穴水町の「石川県精育園」では、3棟ある居住スペースが地震によって天井が剥がれ落ちたり、廊下に亀裂が入ったりして使用できなくなっています。

このため利用者は、施設内にある体育館で共同生活を続けていますが、環境の変化や慣れない共同生活によって気持ちが不安定になる人も出て、夜眠れなかったり、施設内を走り回ったりしてしまう人もいるということです。

8日も、利用者が「地震こわい」と訴えながら体育館の外に出ようとしたため、職員が「大丈夫だよ」と声をかけて不安を取り除いていました。

この施設では複数の職員が被災し、道路も寸断されていることなどから、通常の半数ほどしか職員が出勤できない上、断水が続き、物資も不足しているため、利用者のケアが十分にできていないということです。

専門的な知識と経験のある職員の手助けを必要としていますが、行政からは支援の見通しなどは示されていないということです。

「石川県精育園」の統括責任者の田中こず恵さんは「職員が不足する中、十分なケアもできず感染症などが心配です。建物がこのまま使えるかわからない一方で、100人を超える利用者を受け入れられる施設もなく、今後の見通しが立たない状況が続いています」と話していました。