地震で休校中の高校 校舎開放 被災した受験生が自習 石川 七尾

地震の影響で石川県の能登地方にある学校が休校する中、七尾市の高校では、被災した受験生に自習してもらうため、校舎を開放しています。

9日から、校舎を開放しているのは、七尾市にある県立七尾高校です。

休校していますが、建物の安全性は確認できているということで、受験を控える3年生が自習に訪れています。

9日は、50人ほどが早速教室などで演習問題などに取り組んでいました。

教室には時折担任の教諭が訪れ、生徒一人一人に声をかけていました。

自習していた鈴木亮太さんは「自宅では、いつまた地震が起こるか分からないという不安で勉強が手につきませんが、学校なら先生や同級生もいて安心感があります。逆境に打ち勝つ気持ちで勉強を頑張っていきたいです」と話していました。

また塩崎桃子さんは「自宅では集中できないので学校に来られるのはありがたいです。大きな地震があった中でも自分が今こうやって勉強できているのはとても幸せなことだと思うので、もっと頑張りたいです」と話していました。

七尾高校の樋上哲也校長は「避難所の手伝いをしている生徒もいて、そんな姿を見ているからこそ受験では力を発揮してもらいたいという思いです」と話していました。

一方、高校では、教員たちが生徒たちの受験に向けた調整の業務に追われています。

今月13日から始まる大学入学共通テストでは、学校がバスを手配して金沢市の会場まで生徒たちを送ることにしていて、この日程で受験するのか、追試験に変更するのかなどについて電話で確認を取っていました。

対応にあたる山本一博教諭は「自宅に住めなくなった生徒もいますが、何とか頑張ろうとわれわれに伝えてきているので、彼らの前向きな姿に背中を押されています」と話していました。

「キット、何とかなる」生徒たちが励まし合う

自習のため登校した生徒たちは、久しぶりに会う友人と昼食を楽しんでいました。

教室のホワイトボードには、生徒たちが「キット、何とかなる」や「キット、願いがかなう」などのメッセージを書いて、お互いを励まし合っていました。

メッセージを書いた女子生徒は、「地震が起きて大変な状況ですがみんなで乗り切りたい」と話していました。