福島第一原発 核燃料デブリ取り出し 3月までの開始は見直しも

福島第一原子力発電所の廃炉で最大の難関とされる「核燃料デブリ」の取り出しに向けて、東京電力はことし3月までに初めてとなる試験的な取り出しを2号機で開始する計画です。しかし、格納容器内部にロボットアームを入れるための準備は難航していて、計画は見直しを迫られる可能性もあります。

福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料と内部の構造物が混じり合った「核燃料デブリ」は、1号機から3号機であわせておよそ880トンに上ると推定されています。

東京電力は、数グラム程度の試験的な取り出しを2号機で始める計画ですが、現場は放射線量が非常に高く、遠隔で作業するためのロボットアームの開発や内部の調査などに時間がかかったことから、当初の目標から2年余り遅れ、ことし3月までに開始するとしています。

しかし、去年、ロボットアームを入れる配管のふたを開けたところ、内部が堆積物で塞がれていることが確認されました。

10日にも取り除く作業を始める予定ですが、原子力規制委員会などからは堆積物の硬さによっては十分に除去できない可能性も指摘されています。

東京電力は堆積物を除去できない場合、以前の調査で作った隙間から伸縮式の棒状の装置を入れて取り出す代替案を検討しています。

その場合、工程や設計の変更などにより3月までに開始する計画は見直しを迫られる見通しで、東京電力は「慎重に作業しながら工程を精査していきたい」としています。