気象・災害
地震で車中泊続ける人に エコノミークラス症候群に近い症状も
能登半島地震から1週間余りがたつ中、車中泊を続ける人の中には、エコノミークラス症候群に近い症状がみられる人も出てきています。
石川県輪島市で飲食店を経営する角藤義一さん(75)は店が被害にあい、地震のあと、一時、娘と一緒に市の施設に避難しましたが、その後1週間以上車での寝泊まりを続けています。
角藤さんは、足腰が悪く持病があるため避難所での寝泊まりが難しいうえ、50年以上営む店が窃盗などの被害にあうことを心配し、店の近くに車をとめて避難を続けているということです。
近くの避難所にいる娘に水や食料を届けてもらっていて、日中はラジオを聞くなどして過ごし、夜は車のリクライニングを倒して寝ているといいます。
雪や雨が降り夜は冷え込みが強いため車のエンジンはかけたままにしていて、一日に1回は給油する必要があるということです。
こうした中、近くの避難所にいる医師からエコノミークラス症候群に近い症状がみられ、このままだと血栓ができるおそれがあると診断されたため、車中では手や足を動かすように指導されたということです。
角藤さんは「医師からは『ようこんな状態でおったね』と言われたけど、もう意地と気力ですよ。大金はないけど、物を置いたままで店を出るのが心配です。店を守れるのは自分だけですからね」と話していました。