地震後 1週間孤立続く輪島市の避難所運営「ギリギリ」窮状訴え

地域のみんなで頑張って、ギリギリの中で過ごしているので、少しでも状況がよくなってほしい

能登半島地震のあと1週間にわたって孤立状態が続いている輪島市の鵠巣地区で被災し、避難所の運営に当たっている女性が電話に応じ、窮状を訴えました。

鵠巣地区 700人超が孤立状態に

輪島市の鵠巣地区では、今回の地震によって市の中心部に向かう国道が寸断されるなどし、電気やガス、水道は今も止まったままで、県によりますと、700人を超える人が孤立状態になっています。

ストーブの灯油や毛布などについても不足

寸断された国道

この地区で被災し、避難所の運営にあたっている山下加南子さん(34)が8日、電話での取材に応じ、地区の現状について話してくれました。

山下さんが担当している鵠巣小学校と近くの公民館に設けられた2か所の避難所には高齢者を中心におよそ200人が避難生活を続けていて、地区では車の中で避難生活を余儀なくされている人も少なくないということです。

避難所には1月4日以降、自衛隊によって食料や飲み水などの物資が運び込まれるようになったということですが、手作業で物資を運ぶ状況のため、十分な量がないということです。

8日朝は気温が氷点下となるなど、寒さが厳しさを増していて、避難所で暖を取るために使っているストーブの灯油や毛布などについても不足しているということです。

雪が積もった道路

また、8日朝にかけて雪が20センチほど降り積もり、地震の影響で道路にできたひびや隆起した部分が雪に覆われて見えなくなり、安全に歩ける場所が分からなかったということです。

湧き水を煮沸して使うことも

トイレ用の水

避難所ではトイレに使う水は近くの川からバケツでくんできて使っているということですが、飲み水が限られるため湧き水を煮沸して使うこともあるということです。

高齢者の中には介護が必要な人もいますが、地区には医療従事者がいないため、体調が悪化する人が出てこないか不安を募らせています。

山下加南子さん
「けさは雪が積もってどこを歩けばよいか分からず、足跡や車のタイヤの跡を頼りに探りながら移動したため、かなり怖い思いをしました。地震から1週間がたつので避難所や自宅にいる人、車中泊の人たちにも徐々に疲れが見え始めています。地域のみんなで頑張ってギリギリの中で過ごしているので、少しでも状況がよくなってほしいです」