「富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合」は、県内およそ100の宿泊施設に今回の地震の被害や影響をたずねていて、8日までに41の施設から回答がありました。
それによりますと、37の施設が屋根や壁、配管が壊れるなどの被害を受け、営業を休止している施設もあるということです。
富山 地震影響 宿泊施設の予約キャンセル相次ぐ 被害は1億円超
能登半島地震の影響で、富山県内の宿泊施設では予約のキャンセルが相次いでいます。ホテルなどの組合によりますと、宿泊などのキャンセルはこれまでに8000人分、被害の総額は1億円を超えるということです。
また、キャンセルも相次ぎ、宿泊予約がのべ7000人分、宴会や日帰りのプランなどものべ1300人分がキャンセルとなりました。
組合によりますと、キャンセルによる被害の総額は1億3000万円ほどに上るということで、観光業も大きな打撃を受けています。
一方、地震で被災した人たちに宿泊施設に避難してもらおうという動きもあり、受け入れの準備を進めているということです。
「富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合」の松島秀樹 事務局長は「地震の対応や年末年始の観光シーズンにキャンセルが相次ぎ厳しい状況ですが、被災した人たちを受け入れて被災地の役に立ちたいと思っています」と話しています。
震度5強を観測した富山県氷見市の海沿いにある旅館「うみあかり」は地震発生の1日は満室で、140人の宿泊客がいて従業員たちが客室を回り高台への避難を呼びかけました。
地震で天井の一部が落ちたり床に亀裂が入ったりして修復作業を急いでいますが、断水が続いているため1月3日以降は休業しています。
タンクにためていた水もほとんど使い切り、調理場には洗い物が山積みになっています。
「うみあかり」総支配人の長田卓也さんは「水を使えないのが一番の課題です。スタッフの家も断水していて生活が元に戻らないと営業するのは厳しいです」と話していました。
同じく氷見市の民宿「あおまさ」は1月7日から営業を再開しましたが、宿泊や宴会の予約の8割がキャンセルになったということです。
民宿によりますと、県外からの観光客からは「地震がこわい」などとして、県内の人たちからは「大変な災害が起きた中で宴会をしにくい」などとしてキャンセルしてくるケースが多いということです。
冬の味覚「ひみ寒ぶり」が旬を迎え、地元の人たちの新年会や観光客でにぎわうかき入れ時のため、大きなダメージだということです。
民宿「あおまさ」の女将、青木栄美子さんは「やっとコロナ禍から立ち直った矢先で自分たちも含めて廃業に追い込まれないか心配です」と話していました。
一方で青木さんは、避難してきた地元の人たちに食事や風呂などを提供しています。
地元の人たちとのつながりを大切にしてなんとか営業を続けていきたいとしています。
青木さんは「元気じゃないと人を助けることもできないと思います。業界みんなで前を向いて元気にやっていける方法を探したいです」と話していました。