石川で液状化現象 1m以上の段差も 専門家“広範囲に被害か”

能登半島地震では液状化現象も確認されていますが、専門家が行った現地調査で、石川県内灘町では地面に最大1メートル以上の段差ができるなど、過去の地震に比べても大規模な被害が起きていたことが分かりました。
専門家は、液状化現象による被害は広い範囲で起きている可能性があるとして、実態の把握が必要だと指摘しています。

地盤工学が専門の東京電機大学の安田進 名誉教授は、1月6日から石川県で地震による被害の様子を調査しました。

それによりますと、内灘町の宮坂では、液状化現象が発生してビルが地面にめり込み、近くでは地割れが数本確認されたほか、地面が水平方向に2メートルから3メートルずれ動いたとみられるということです。

また、内灘町西荒屋では、もとは砂丘だった緩やかな斜面で道路が1メートル以上盛り上がり、大きな段差ができていました。

日本海側の沿岸部には砂丘が多く、1983年の日本海中部地震でも液状化現象が見られましたが、今回の地盤の変動は、日本海側で起きた過去の地震と比べても特に大きいと指摘しています。

安田名誉教授は「調査した内灘町は、砂丘の緩やかな斜面で液状化現象が起こりやすい場所だが、1メートル以上の地面の起伏はかなりの規模で驚いている。地震の規模からすると新潟県を含む広い範囲で液状化が起きているとみられ、引き続き調査して復旧を進める必要がある」と話しています。