全国高校サッカー選手権 青森山田が2大会ぶり4回目の優勝

102回目を迎えた全国高校サッカー選手権は8日、東京・国立競技場で決勝が行われ、青森山田高校が3対1で滋賀の近江高校に勝って、2大会ぶり4回目の優勝を果たしました。

102回目の全国高校サッカー選手権は8日午後、東京・国立競技場で決勝が行われ、2大会ぶりに決勝に進んだ青森山田と、初めて決勝に進んだ近江が対戦しました。

会場には5万5000人あまりの観客が詰めかけ、試合前には能登半島地震で亡くなった人たちに黙とうがささげられました。

試合は前半33分、青森山田のミッドフィルダー、福島健太選手がペナルティーエリア内でボールを受けてゴール左隅にシュートを決めて先制し、1点リードで前半を終えました。

後半に入ると、近江の途中出場の2年生、山本諒選手にクロスボールからのシュートを決められ同点に追いつかれましたが、後半15分、青森山田のフォワード、米谷壮史選手が味方のパスを受けてドリブルで持ちこみ、ゴールキーパーをかわして落ち着いてシュートを決め、再びリードしました。

青森山田は後半25分にもオウンゴールで追加点を奪って、3対1で勝ち、2大会ぶり4回目の優勝を果たしました。

近江は後半開始直後のゴールで流れをつかみかけましたが、その後は相手に主導権を握られチャンスを作ることができず、滋賀県勢として野洲高校以来、18大会ぶりの優勝はなりませんでした。

青森山田 正木監督「感謝しかない」

青森山田高校の正木昌宣監督は、チームを全国屈指の強豪校に育て上げた、前の監督の黒田剛氏が昨シーズンJリーグ、町田ゼルビアの監督になったことに伴い、その後を引き継いで監督に就任しました

監督として1年目のシーズンで全国優勝を成し遂げた正木監督は「最後まで戦ってくれた選手たちに感謝したい。すごいとしか言いようがない選手に囲まれて、本当に感謝しかありません。うれしいです」と涙ながらに話していました。

勝ち越し点決めた米谷選手「自分の人生の宝物」

青森山田高校のキャプテン、山本虎選手は「去年秋にけがをしたチームメートの関口豪選手のユニフォームを自分のユニフォームの下に着てずっと試合をしてきた。その前で優勝することができて本当にうれしい」と、けがで出場できなかったチームメートに優勝を届けられた喜びを語りました。

勝ち越しとなる2点目のゴールを決めた青森山田高校のフォワード、米谷壮史選手は「みんながボールをつないでくれて部員全員のゴールだと思う。このチームの仲間と出会えたことが幸せで、自分の人生の宝物。この優勝は一生忘れない」と話していました。

近江 前田監督「選手たちの成長いちばん嬉しかった」

近江高校の前田高孝監督は「青森山田はうまかった。本当に選手たちは一生懸命サッカーをやってくれた。彼らの考えや頑張りを結果に結びつけてやれなかった。指導者としての未熟さが出た」と話しました。

その上で初めて決勝に進んだ今大会を振り返って「よくやったという気持ちと、あと一歩足りなかったという気持ちがある。それでも初めて決勝まできて、選手たちの成長を感じることができたのがいちばん嬉しかった。支えてくれた人たちにも本当に感謝したい」と話していました。

近江キャプテン 金山選手「1試合1試合 1人1人が成長」

近江高校のキャプテン、金山耀太選手は「悔しい気持ちしかないが、ここまでこの仲間とサッカーができてよかった。1試合1試合、1人1人が成長してここまで来られた」と話し、チームとして2大会連続3回目の出場で初めて決勝に進んだ今大会を総括しました。

そして自身の高校サッカーを振り返り「苦しいことが多かったが、とても濃い3年間だった。後輩たちには『また来年この舞台に戻ってこい』と声をかけた」と話していました。