被災翌日に出産した女性 “人との結び付き 大切にする子に”

今回の地震で石川県珠洲市の自宅で被災して避難を余儀なくされ、地震発生の翌日の2日に赤ちゃんを出産した女性がNHKの取材に応じ、「多くの人に助けてもらって生まれてきたので、人との結び付きを大切にする子に育ってほしい」と話しました。

今回の地震で震度6強の揺れを観測した珠洲市に住む長松千晴さん(32)は、地震発生当時、家族とともに珠洲市の自宅にいましたが、強い揺れを感じたため、すぐ近くの高台に車で避難したということです。

自宅は大きく傾いていたため、車の中で一夜を明かしましたが、おなかに痛みを感じ、翌日の2日にドクターヘリで金沢市内の病院に搬送され、2336グラムの女の子の赤ちゃんを出産しました。

母子ともに健康だということです。

赤ちゃんの名前はまだ決まっておらず、地震直後に生まれたことを踏まえて家族とともに考える予定だということです。

長松さんは、当時を振り返って「避難したあとにおなかの張りを感じ始め、病院に行けるかどうかとても不安でした。発災直後の道路の状況が悪い中でも駆けつけてくれた消防の方など多くの人に感謝しています」と話しました。

そして「多くの人に助けてもらって生まれてきたので、人との結び付きを大切にする子に育ってほしい」と話していました。

一方、退院後も地震の被害で自宅には戻れず、金沢市内の親戚の家で過ごすということで「自宅に帰れないことはショックだし、家族の先行きが見通せず不安に感じています」と話していました。