新潟県 能登半島地震1週間 液状化被害の新潟市 全体像わからず

能登半島地震の発生から8日で1週間です。

新潟県内では最大で震度6弱を観測し、これまでに住宅900棟以上で被害が確認されています。ただ、液状化による被害を受けた新潟市では、住宅などの被害の全体像はわかっておらず、暮らしへの影響は長期化するとみられます。

能登半島地震で、新潟県では長岡市で震度6弱の揺れを観測したほか、上越市などの沿岸には津波が押し寄せ、浸水被害も出ました。

新潟県によりますと、7日時点で、
▽けが人は47人
▽被害が確認された住宅は928棟に達しています。

一方、強く長い揺れによって各地で液状化が発生し、新潟市西区では住宅や学校などに被害が相次いでいます。

地震直後に撮影された映像では、地面に亀裂が入り、水が流れ出ている様子も確認できます。

新潟市は、住宅の被害があった人が公的な支援を受けるために必要な、り災証明書の交付に向けた調査を進めていますが、7日朝の段階で、申請があったのはおよそ3100棟で、新潟市は申請はさらに増える見通しだとしています。

行政は今後、生活再建に向けた対策を進めることになりますが、液状化による被害の場合、復旧にはどういった方法を取るのかや、住民負担のあり方をどのようにするかなど、解決すべき多くの課題があります。

新潟市西区で断水続く 「早く直ること 願っている」

新潟市西区では市が管理する水道管の修理が7日までに終わりましたが、個人が管理する水道管の修理が一部で終わらず、断水が続いています。

市は8日も西区役所や坂井輪中学校、坂井輪小学校、それに立仏小学校の4か所に給水所を設けています。

西区に住む桑原次栄さん(71)の自宅も断水が続いていて、桑原さんは8日午前、雪が残るなか車で給水所を訪れ持参したタンクに給水を受けていました。

自宅の台所にある蛇口のレバーを操作しても水は出ず、風呂も使えないため銭湯に行くなどしてしのいでいるほか、トイレも公共施設などを利用しているということです。

また、桑原さんの自宅では液状化現象が起き、ブロック塀が崩れたり地面が隆起したりしたほか、床にゴルフボールを置くと転がっていくほど家が傾く被害が出ています。

桑原さんは「いままで当たり前に使っていたものが出ないと、かなり不便を感じます。給水所も近いので水が足りないことはないですが、トイレや風呂も使えないので、早く直ることを願っています。また、これから家をどのように改修していくか悩んでいます。雪の重みで地面がいま以上に傾いてしまうかもしれない」と心配そうな表情で話していました。

新潟市西区では液状化による住宅の被害も深刻で、市民生活の立て直しに時間がかかることが懸念されています。