気象・災害

寒さ対策・乳幼児連れた避難で重要なことは 防災ガイドに聞く

能登地方では厳しい冷え込みとなる中、体温の低下により体調の悪化につながることが懸念されます。阪神・淡路大震災での被災経験から、防災に役立つ情報を発信している防災ガイドの「あんどうりす」さんに、避難生活で重要な寒さ対策と、乳幼児を連れた避難で重要なことを聞きました。

寒さ対策1 「動かない空気の層」を作る

あんどうさんによりますと、寒さ対策には体と服の間や、床と体の間などに「動かない空気の層」を作ることが重要だということです。

断熱材のような役割を果たしてくれる「動かない空気の層」の作り方を具体的にみていきます。

まず、簡単にできるのは新聞紙やラップを丸めたものやポリ袋に空気を入れたものを服の中に入れることです。

また、重ね着することで服の間に動かない空気の層をつくることもできるそうです。

寒さ対策2 床からの冷気を防ぐ

体育館の床などは断熱性が低いものが多く、床に座っているだけでも体温が奪われてしまうため、床からの冷気を防ぐことも重要です。

段ボールや保育園などにある子供用のプレイマットなどは断熱効果が高く、床に敷くことで冷気を遮断する役割を果たしてくれます。

特に冷え込みが厳しい夜はなかなか眠れないという人もいるかもしれません。

そういう時は段ボールに頭を入れるだけでも暖かさを感じられるということです。

この「段ボールかまくら」は大きいもので体を覆うことでも効果が高まります。

寒さ対策3 ダウンの有効活用

ダウンジャケットを着ている人は、羽毛の暖かさを活用すると効果が高まります。

羽毛は暖かさで膨らみ、広がった羽の間に空気が入って「動かない空気の層」を作る構造になっています。

そのため、なるべく体温で羽を温めることが大事だということです。

また、ダウンを振って空気を入れたり、カイロをポケットに入れて、羽毛を膨らませたりすることも有効だとしています。

乳幼児ケア1 ミルク

今回の地震では、お正月の帰省中に被災した人も多いと思います。

あんどうさんは、ふだん乳幼児が少ない地域で被災すると、乳幼児用の物資が避難所に十分に配備されていない可能性もあると懸念しています。

乳幼児を連れた避難生活で気をつけるべき点についても伺いました。

あんどうさんは、基本的にはできるだけ「いつもどおり」を続けられる環境を確保することが重要だといいます。

例えば、ふだんミルクをあげている人はミルクを、母乳を与えている人はそうできるように。

そのために、安心して授乳できる環境を整えることが重要だと指摘しています。

そのうえで、避難先で粉ミルクをあげる場合は、必ず70度以上のお湯でといて殺菌することが大切だそうです。

カイロで温めるとかえって菌を繁殖させてしまうため、やめてほしいとしています。

断水が続き、哺乳瓶が消毒できない場合などは紙コップを使うことで衛生的にあげることができます。

赤ちゃんを縦に抱いた状態で、紙コップの縁が上唇に触れるようにすると、自分で口を動かして少しずつミルクを飲むことができるということです。

乳幼児ケア2 紙おむつ

紙おむつがない場合には、レジ袋と布で応急的に代用する方法もあります。

まず、レジ袋の持ち手の上と両脇を切り、アルファベットの「H」の形に開きます。

この上に布を敷いて持ち手を結ぶと、おむつの代用として使うことができます。

透明なポリ袋を使う場合は底を2か所、角を斜めに切って足を入れる穴を作り、袋の中に布を入れて下着のようにはかせる方法もあります。

また、紙おむつが1つでも残っている場合は、吸収剤を取って内側に布を敷き、汚れた布だけを交換して繰り返し使用する方法もあるということです。

あんどうさんは「災害時にふだんと違うことをするのは赤ちゃんにもお母さんお父さんにも心理的負担がとても大きい。本来ならば安全な場所で過ごすことが大切だが、それができない状況が続いていると思うのでなるべく『いつもどおり』ができるよう、周りに支えてもらったり助けを求めたりしても大丈夫だと知ってほしい」と話していました。

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