七尾 地震直後に病院で出産 医師「泣き声を聞きほっとした」

1月1日の地震発生直後に石川県七尾市の病院で出産を担当し、無事に赤ちゃんを取り上げた産婦人科の医師がNHKの取材に応じ、「緊急事態の中、赤ちゃんの泣き声を聞けたときは本当にほっとした」と当時を振り返りました。

今回の地震で七尾市では震度6強の揺れが観測され、市内にある「恵寿総合病院」では10の病棟のうち、4棟で壁が崩落するなどの被害を受けました。

地震発生当時、産婦人科の医師、新井隆成さんは院内にいましたが、強い揺れを感じたため、すぐに助産師とともに、新生児室にいた双子の赤ちゃんを抱いて安全な部屋に避難したということです。

そのおよそ2時間後に、当時、里帰り出産のため志賀町に滞在していた都内の30代の妊婦が急きょ分べんに臨むことになり、新井さんが担当しました。

当時、分べん室は停電などのため使うことができず、別の手術室での出産となりましたが、スタッフたちと協力しながら、無事に元気な女の子を取り上げることができ、母子ともに健康だということです。

この病院ではその後も次々と妊婦が訪れてきていて、さらに別の赤ちゃんも無事に生まれたということです。

新井さんは「地震直後で、みんな総動員で必死だった。赤ちゃんの泣き声を聞いたときはほっとした。ただ、今も病院に来られず、避難している妊婦もたくさんいる。すべての妊婦の安全が確保されるように、早めに病院に連絡してほしい」と話していました。