台湾上空に中国の気球 総統選を前に連日飛来

4年に1度の台湾総統選挙の投票日が近づくなか、台湾本島や周辺海域の上空に連日、中国の気球が飛来していて、台湾国防部は、武力攻撃に至らない、いわゆるグレーゾーンの手法で「台湾の民心に影響を与えようとたくらんでいる」という見方を示しました。

台湾国防部によりますと、5日午後、中国から飛来した気球2つが台湾海峡の「中間線」を越え、このうち1つは台湾本島の上空を通過しました。

台湾国防部は風向きの関係で、冬場に中国から飛来する気球が増える傾向が以前からあったとしたうえで、先月からは飛来した気球の数や航跡などを24時間ごとに発表しています。

年明け以降は、5日まで5日連続で飛来が確認され、台湾国防部は6日出したコメントで、「国際航路の安全に重大な脅威をもたらしている」として、中国を非難しました。

そのうえで、中国の意図については、1週間後に投票が行われる台湾総統選挙との関連に言及してはいないものの、「グレーゾーンのかく乱で台湾の民心や士気に影響を与えようとたくらんでいる」という見方を示しました。

また、気球の用途については、当初、「気象観測用と見ている」としていましたが、6日のコメントでは、中国が偵察目的で気球を飛ばしている可能性を排除していないことを示唆しました。