災害時は思わぬところに火災のリスクが… 注意すべき点は

今月1日の能登半島地震で日本火災学会は、災害時には思わぬところに火災のリスクが潜んでいるとして、注意を呼びかけています。

停電に潜む ろうそく火災のリスク

今回の地震では震度7の激しい揺れを観測し、能登半島の広い範囲が停電しています。

日本火災学会は停電に伴って、明かりを確保するためにろうそくを使う機会が増えるとして、ろうそくが原因の火災に注意が必要だとしています。

ふだんろうそくを扱い慣れていないうえ、避難や復旧作業の疲れから不注意になりやすいとしています。

また、地震の揺れでろうそくが倒れる危険もあるため、できるだけ使わないようにするとともに、やむをえず使用する際は細心の注意を払うよう呼びかけています。

停電復旧で「通電火災」に注意

また、復旧が進む中で、「通電火災」に注意が必要だとしています。

「通電火災」は揺れによって倒れた電気器具や、損傷した配線から出火する火災で、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも起きています。

見た目は異常がなさそうでも、内部の損傷や故障で、長時間たってから火災になることもあるということです。

このため、停電中はブレーカーを下ろすとともに、電気器具のプラグをコンセントから抜き、電気の復旧の前に配線やコードが損傷していないかや、燃えやすいものが近くにないかなどを確認してほしいとしています。

これについて、地震火災に詳しい東京大学の廣井悠教授は「通電火災やろうそくの火災は意識することで防げるので、これ以上、2次被害を増やさないよう、火の取り扱いには十分に気をつけてほしい」と話しています。

たばこの不始末に注意

日本火災学会によりますと、車の中で避難生活を続ける際もたばこの不始末による火災のリスクがあるということです。

吸いかけのたばこや灰が車内に落ちたり、灰皿にたまった吸い殻から出火したりするおそれがあるほか、寝たばこにも注意が必要だとしています。

仮置き場も火災起きやすい

今後、片づけが進む中で、過去の災害では災害廃棄物の仮置き場から出火したケースもあり、注意するよう呼びかけています。

日本火災学会はガスボンベや灯油タンクなどの危険物はほかの災害廃棄物と分別するとともに、火災が起きてもすぐに消し止められるよう、高く積み上げず、置き場どうしの間隔をあけることが大切だとしています。