金沢市の住宅地の斜面崩落 専門家“液状化現象が原因か”

今月1日の能登半島地震で、金沢市の住宅地の斜面が崩れた現場を専門家が調査した結果、地震の揺れで地盤が液体状になる液状化現象が起き、崩壊につながったとみられることがわかりました。周辺の道路には亀裂も見つかり、専門家は強い地震で新たに斜面が崩れるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

今回の地震で金沢市田上新町では、住宅地の斜面が崩れて4棟が全壊しました。

土砂災害に詳しい東京農工大学の石川芳治名誉教授は今月3日、現地調査を行い、詳しい被害の状況や原因を分析しました。

その結果、およそ1600平方メートルの斜面が崩壊し、全壊した4棟のうち3棟が10メートルから20メートル西へ移動していました。

地盤を調べたところ、大きさがほぼ均一の細かい砂地でできていて、斜面に設置された排水管からは地下水が流れ続けていたということです。

このため、石川名誉教授は、地下水を含んだ砂地に地震の揺れが加わったことで地盤が液体状になる液状化現象が起き、崩落したとみられるとしています。

また、現場の周辺には、今回の地震で生じたとみられる路面の亀裂が5か所確認されたということです。

石川名誉教授は「再び強い地震が起きると新たに斜面が崩れるおそれがある。なるべく立ち入らず、やむをえない場合はすぐに避難できるよう備えてほしい」と呼びかけています。