岐阜 飛騨市のカドミウム堆積場など“地震での異常なし”

四大公害病の1つ、イタイイタイ病の原因となった岐阜県飛騨市にある企業は、カドミウムを保管する堆積場などに地震による異常はなかったと、被害者団体に報告しました。

今回の地震では、イタイイタイ病の原因となった「神岡鉱業」のある岐阜県飛騨市でも震度5弱の揺れを観測しました。

5日は「神岡鉱業」の岡田洋一社長などが富山市の被害者団体を訪れました。

そして「地震のあとに点検した結果、硫酸タンクの設備や、カドミウムなどをためている堆積場に異常がなかったことを確認している」と報告しました。

これに対して「神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会」の江添良作代表理事は「岐阜でも大きく揺れたので心配していたが安どした。団体がこれまで求めてきた地震対策の強化の成果が表れたと捉えている」と述べました。

イタイイタイ病は、神通川上流の飛騨市の鉱山から排出されたカドミウムによって引き起こされた公害病で、企業などによりますと、3か所の堆積場に保管されている重金属と石灰合わせて3800万立方メートル余りのうち5%がカドミウムなどの重金属だということです。

江添代表理事は「汚染物質が下流に流れないよう、原因企業には引き続き地震対策の強化を求め、監視していきたい」と話していました。