“政治資金再発防止でキックバックせずを検討” 自民 幹事長

自民党の茂木幹事長は派閥の政治資金パーティーをめぐる問題の再発防止策として、パーティー券の販売ノルマを超えた収入を議員側にキックバックしないようにすることなどを、来週、立ち上げる「政治刷新本部」で検討する考えを示しました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、岸田総理大臣は来週、総裁直属の機関として「政治刷新本部」を立ち上げて、再発防止策や派閥のあり方などを検討する意向を示しています。

これについて、茂木幹事長は5日の記者会見で、「政治資金の透明性の確保を図っていくことは極めて重要であり、党としてさまざまな形で改革すべき点がある」と述べました。

そのうえで、再発防止策として
◇派閥のパーティー券の購入は現金ではなく銀行振り込みとすることや
◇販売ノルマを超えた収入を議員側にキックバックしないようにすること
◇それに党が各派閥の収支を監査することなどを検討する考えを示しました。

また、各党との協議を踏まえて、政治資金規正法の改正や透明性を向上させる観点から、収支報告書を国に提出する前の段階で、党が独自に公表することも検討していく考えを示しました。

一方、派閥の在り方をめぐっては、「再発防止策などの改革案をまとめていく過程で検討していきたい」と述べました。

立民 泉代表「党としてどうけじめをつけるかが先」

立憲民主党の泉代表は記者団に対し、「裏金をつくった議員に対し、党としてどのようなけじめをつけるかが先ではないか。いくら会議体を作っても国民は納得しない。新しい組織も派閥を運営してきた人が入っていて、国民は期待していない。また、裏金は政治資金規正法を強化すればなくなる話ではなく、今の自民党に改正案を考える資格はない」と述べました。

維新 馬場代表「第三者機関にルールづくりを委ねることが大事」

日本維新の会の馬場代表は記者会見で「刷新本部には総理大臣経験がある麻生氏や菅氏が入ると側聞しているが、そういう人たちが自分たちでルールを決めることになればいろいろな問題が出てくるのではないか。自民党が抜本改革を行う姿勢を示すには第三者機関にルールづくりを委ねることがいちばん大事で、そこで決まったルールを必ず実行するという姿勢がなければ、地に落ちた国民の信頼は回復できない」と述べました。

公明 山口代表「『刷新』にふさわしい内容を期待」

公明党の山口代表は記者団に対し、自民党が来週立ち上げる「政治刷新本部」について、「『刷新』ということばを使って意気込みを示しているので、自浄能力を発揮する姿勢を国民に示していただきたい。必要に応じて公明党から意見を言うこともあるかもしれないが、国民の厳しい目がある中『刷新』にふさわしい内容をつくることを期待したい」と述べました。

共産 志位委員長「真相を明らかにすることが最優先」

共産党の志位委員長は記者会見で、「自民党は制度的な改善をする前にやることがある。誰がどれだけの裏金を得て、何に使ったのか明らかになっていない。真相をきちんと明らかにすることが最優先であり、それを抜きに『刷新』と言っても意味をなさない」と述べました。

国民 玉木代表「党の存亡をかけた真剣な議論を」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「今回の派閥の裏金問題は政治に対する信頼を根底から揺るがすような問題で、抜本的な改革を自民党には求めたい。もし、なまはんかなものが出てくれば自民党自身が大きく信頼を失うことにもなる。党の存亡をかけた真剣な議論と結論を期待したい」と述べました。