能登半島地震 2020年ごろから続く地震で建物の耐える力低下か

今回の能登半島地震で多くの建物が倒壊したことについて、専門家は2020年ごろから続いている活発な地震活動の影響で地震に耐えられる力が低下していたなどと指摘しています。

今月1日の能登半島地震で能登地方を中心に多くの建物が倒壊する被害が出ました。

地震が建物に与える影響に詳しい金沢工業大学の山岸邦彰教授は、能登地方では2020年ごろから地震活動が活発になり、去年5月には震度6強の揺れを観測するなど繰り返し襲う揺れによって建物の柱がずれたり土壁の一部が崩れたりして地震に耐えられる力が低下していたとみています。

また、建築基準法が施行された1950年以前に作られた古い木造の建物が多かったことや、大きな被害が出ている珠洲市では住宅の耐震化率が2018年度末の時点で51%と、全国平均の87%を大きく下回っていたことなども被害の拡大につながったとしています。

さらに、輪島市で7階建てとみられるビルが倒壊したことについては、詳しい調査が必要だとしたうえで、映像や写真を見るかぎりでは地下のくいが地震の揺れで損傷し建物を支えきれなくなったか、液状化などで地盤が沈下し建物が傾いて倒れた可能性を指摘しています。

山岸教授は「去年の被害に比べてはるかに全壊した建物も多い。再び大きな地震が起きても耐えられるよう耐震設計された建物に住むなど、住まい方を考え直す必要がある」と話していました。