羽田空港事故 日本航空機の撤去作業始まる

羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の航空機どうしの衝突炎上事故で、5日朝から日本航空機の撤去作業が始まりました。日本航空は7日には撤去を完了させたいとしていて、そのあと、国土交通省が滑走路の再開に向けて点検作業を行うことにしています。

今月2日、日本航空の旅客機が羽田空港に着陸した直後に、滑走路上にいた海上保安庁の航空機と衝突して炎上し、海上保安官5人が死亡、1人が大けがをしたほか、旅客機の乗客15人がけがや体調不良で医療機関を受診しました。

これまでそれぞれの機体は国の運輸安全委員会の調査などのため、現場となったC滑走路やその周辺に残されていましたが、4日夕方から海上保安庁の機体の撤去作業が始まったほか、5日午前から日本航空機の撤去作業も始まりました。

現場では白い服を着た作業員が機体の周辺を見て回り、クレーン車やショベルカーが運び込まれました。

日本航空によりますと、機体は、重機で翼や胴体部分に切り分け、トラックで空港敷地内にある格納庫に運ぶということです。

作業は数日間かかるとみられ、7日には撤去を完了させたいとしていて、そのあと、国土交通省が滑走路の再開に向けて点検作業を行うことにしています。

羽田空港の滑走路は事故発生後4本すべてが閉鎖され、その日のうちに3本は再開したもののC滑走路の閉鎖は続き、年始の利用客が多い時期に多数の航空便が欠航する事態となっています。

5日の欠航 215便 6日も約200便欠航

事故の影響で、航空各社によりますと、羽田空港を発着する国内線は5日もあわせて215便の欠航が決まっているほか、6日についてもおよそ200便の欠航が決まっています。

ダイヤの乱れは航空機の撤去と安全確認が終わり運用が再開されるまで続く見込みで、6日も日本航空で100便、全日空で96便の欠航が決まっています。

羽田空港ターミナル 目立った混雑なし

ターミナルは午前中目立った混雑はなく、乗客からは「混雑を見越して早めに来た」といった声が聞かれました。

羽田空港の第1ターミナルの出発ロビーには5日午前中も多くの人が訪れましたが、チェックインカウンターや保安検査場に目立った混雑はみられていません。

ただ、年末年始をふるさとや行楽地で過ごした多くの人たちが空港の職員の案内を受けて手続きを進めたりソファーで待ったりする姿がみられました。

地上スタッフが対応するカウンターには「きょう出発の航空機は空席待ちできない」という案内が張り出され、予定の便が運航されるのかや欠航した場合どうすればいいのかなどを尋ねる人の列ができていました。

帰省先から大阪に戻るという20代の会社員の男性は「午後2時の飛行機に乗る予定ですが、混雑しているだろうと思って早めに来ました。飛行機は飛ぶ予定ですが新幹線の席も余裕がありそうなので、欠航になれば振り替えようと思います」と話していました。

北海道 女満別の夫の実家に家族で帰省するという30代の女性は「12時すぎの飛行機ですが早めに10時ごろに来て、手続きはスムーズにできました。無事運航される見通しですが欠航したら自宅に戻ろうと思っています」と話していました。