【5日詳細】ガザ地区への地上作戦と空爆続く

イスラエル軍は4日もガザ地区への地上作戦と空爆を続け、ガザ地区の保健当局は過去24時間で125人が死亡したとしています。一方、ネタニヤフ政権は戦闘が終わったあとのガザ地区の管理について閣議で議論すると現地メディアが伝えていて閣内での求心力を高めるねらいがあるものとみられています。

イスラエルやパレスチナに関する日本時間1月5日の動きを、随時更新してお伝えします。

米国務長官 イスラエルなどへ向け出発 軍事作戦の在り方協議へ

アメリカのブリンケン国務長官は4日、イスラエルなどを訪れるため、首都ワシントン近郊の空軍基地を出発しました。
ガザ地区での民間人の犠牲が増え続ける中、軍事作戦のあり方についてイスラエル側と協議するとともに、戦闘が拡大し地域の緊張が高まらないよう働きかけを行うものとみられます。

アメリカのブリンケン国務長官は、4日から11日にかけて、イスラエルやパレスチナのヨルダン川西岸、カタールやサウジアラビアなどを訪問することにしています。

訪問中、ブリンケン長官は、ガザ地区での民間人の犠牲を最小限に抑えるため軍事作戦をより小規模に移行することをめぐってイスラエルの政府要人と意見を交わすほか、人道支援や人質解放に向けて協議を重ねることにしています。

また、イエメンの反政府勢力、フーシ派による船舶への攻撃が紅海で相次いでいることも受けて、戦闘が拡大し地域の緊張が高まらないよう働きかけを行うものとみられます。

ブリンケン長官が中東を訪れるのは、去年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突が始まってから4回目となります。

イスラエル国防相 ガザ地区の管理「パレスチナ人が責任持つ」

イスラエルのガラント国防相は4日、戦闘終了後のガザ地区の管理について考えを表明しました。

それによりますと、軍事作戦を完了したあとのガザ地区の管理については「イスラム組織ハマスはガザ地区の統治を行わず、イスラエルもガザの住民を統治しない」と明言したうえで「パレスチナ人が責任を持つ」として、パレスチナ人による統治が望ましいとの考えを示しました。

一方で、イスラエルにとっての脅威をなくすためにイスラエル軍がガザ地区で自由に活動できることや、ガザ地区に入る物資を検査することなども含まれています。

また、あわせて軍事作戦の見通しについても明らかにし次の段階では、ガザ地区の北部で小規模な部隊での奇襲やトンネルの破壊といった新たな作戦に移行するとしています。

一方でガザ地区の南部ではハマス幹部の殺害と人質の解放に重点を置いて必要なかぎり作戦を継続すると説明しました。

ガザ地区の管理をめぐる一方的な発表には、パレスチナ側からの反発は避けられない見通しで、今後、イスラエル政府内でどのような議論が行われるのかが焦点です。

ガザ地区保健当局 “イスラエル軍の攻撃で24時間で125人死亡”

イスラエル軍は4日、南部ハンユニスでイスラム組織ハマスの拠点や地下トンネルを標的に空爆を行ったほか、複数のハマスの戦闘員が投降したなどと発表しました。

ガザ地区の地元メディアはハンユニスなどで激しい空爆があったと伝えていてガザ地区の保健当局も4日、過去24時間にイスラエル軍の攻撃で125人が死亡し、これまでの死者は2万2438人にのぼるとしています。

ネタニヤフ政権 閣議で将来のガザ地区の管理を議論か

軍事作戦の開始からまもなく3か月となりますが、イスラエルは仮に戦闘が終わってもガザ地区の将来的な管理について明確な計画を示していません。

こうした中、イスラエルの有力メディア「ハーレツ」はネタニヤフ政権が4日の閣議でガザ地区の今後の扱いをめぐって議論をすると伝えました。

今週に入ってイスラエルでは極右政党の閣僚から「イスラエルはガザ地区を永久に管理する」などの強硬な発言が相次いでおり、ネタニヤフ首相としては閣内での求心力を高めるためにも将来のガザ地区の管理を議題にするものとみられています。

一方で、イスラエルの同盟国アメリカはガザ地区はパレスチナ人が管理すべきだという立場で、イスラエルが今後、どのような方針を示すのかが焦点となります。