アメリカ・ホワイトハウスの高官はロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受け、ウクライナに対して発射したとみられると明らかにしました。
これはアメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官が4日、記者会見で明らかにしました。
それによりますとロシアが北朝鮮から最近、弾道ミサイルの供与を受け、先月30日に少なくとも1発が発射され、ウクライナの南部ザポリージャ州の平原に着弾したということです。また、今月2日には複数のミサイルが発射されたとしていて、被害を確認中だとしています。
北朝鮮はミサイル供与の見返りとしてロシアに戦闘機や地対空ミサイル、それに弾道ミサイルを製造する装置や材料などの軍事支援を求めていると分析しています。
カービー調整官は「ロシアは今後も北朝鮮からのミサイルを使ってウクライナの民間施設や罪のない市民を標的にすることが予想される」と述べたうえで、ミサイルの供与は国連安全保障理事会の決議に違反するとして今後、国連の場で取り上げる考えを示しました。
さらに、ロシアがイランからも短距離弾道ミサイルを入手しようとしているとの情報があることを明らかにし、北朝鮮やイランとの取り引きに関係した団体などに対する制裁を強化していくことも強調しました。
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月5日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。
戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
米高官“ロシアが北朝鮮供与のミサイル ウクライナに発射”
NATO ウクライナ交え大使級協議開催へ
ロシア軍は4日、ウクライナ各地に砲撃を行い、地元当局などによりますと、ウクライナ中部のキロボフラード州にある工業施設が破壊され、1人が死亡したほか8人がけがをし、東部ドネツク州でも1人が死亡するなど民間人の死傷者が増え続けています。
こうした中、NATO=北大西洋条約機構はウクライナと協議を行う枠組みNATOウクライナ理事会を10日に大使級で開催すると明らかにしました。
これは、ロシア軍によるウクライナへの年末年始の大規模攻撃を受けてウクライナ政府が開催を要請したもので、ウクライナのクレバ外相はSNSで「主要議題の1つは、ウクライナの防空能力の強化についてだ」としています。
プーチン大統領 ロシア軍などと契約の外国人にロシア国籍
ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナへの軍事侵攻が続く間に、最低1年間、ロシア軍などと契約を結んだ外国人とその家族がロシア国籍を取得できるようにする大統領令に署名しました。
今回の措置は、戦闘が長期化する中、ロシア軍に入隊を希望する外国人を増やし、兵力を増強するねらいがあるものとみられます。