能登半島地震の被害状況 立体的に示した地図 東大研究者が公開

能登半島地震の被災地支援などに役立ててもらおうと、津波や崖崩れなどの被害状況を立体的に示した地図を東京大学の研究者が作成し、ウェブサイトで公開を始めました。

地図は東京大学大学院の渡邉英徳教授が民間企業の協力を得て作成しました。

地震のあとに国土地理院が上空から撮影した能登半島の写真をもとに、石川県輪島市の東部と珠洲市の状況を3Dで示していて、津波による被害や崖崩れなどが確認できるおよそ40か所が掲載されています。

このうち、輪島市を通る県道278号線では、崖崩れによる大量の土砂が広い範囲にわたって道路をふさぎ、周辺にはう回路もないため、行き来が完全に遮断されている状況がうかがえます。

珠洲市と輪島市を結ぶ県道40号線も山あいの地域で複数の崖崩れが起きていて、珠洲市や輪島市東部では少なくとも10か所以上で通行できない状態になっていることがわかります。

さらに、珠洲市の港では地震によって海中の地盤が隆起し、水深が浅くなっているとみられ、渡邉教授は船が入港できない状態になっているのではないかと指摘します。

渡邉教授は「陸だけでなく、海からも支援物資を運べない地域が複数生じている可能性がある。救援が難しい集落の周辺状況を把握し、救援の手だてを考えるうえで役立ててもらえればと思う」と話しています。

輪島市の西部でも、東部と同様に道路の寸断などで孤立状態になっている地域が複数生じている可能性があるということで、今後も最新のデータをもとに情報を更新していくとしています。