レバノンでハマス幹部ら殺害 ヒズボラ最高指導者が報復示唆

イスラエル軍がガザ地区で攻勢を強める中、隣国レバノンでハマスの幹部らが殺害されたことを受け、ハマスと同様にイランの支援を受けるシーア派組織ヒズボラの最高指導者は報復を示唆し、イスラエルをけん制しました。一方、イランでは、4年前に殺害された司令官の追悼式典で爆発があり、95人が死亡していて、地域情勢のさらなる不安定化が懸念されます。

パレスチナのガザ地区では、南部ハンユニスなどでイスラエル軍による攻勢が続き、このところ連日100人を超える死者が出ていて、ガザ地区の保健当局によりますと、これまでの犠牲者の数は2万2313人となっています。

こうした中、レバノンの首都ベイルートで2日、爆発があり、イスラム組織ハマスは現地に滞在していた政治部門の幹部ら7人がイスラエル軍による攻撃で殺害されたとしています。

これについてハマスと同様にイランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者 ナスララ師は3日「必ず復しゅうがある。われわれは全面的に戦う用意がある」などと述べて、報復を示唆し、イスラエルを強くけん制しました。

一方、イランでは3日、4年前にアメリカ軍に殺害された革命防衛隊のソレイマニ司令官の墓がある南東部ケルマン州で追悼式典のさなかに爆発があり、95人が死亡しました。

アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は3日「現時点でイスラエルの関与を示すものは何もない」としていて、これまでのところ背後関係は分かっていません。

中東の情勢のさらなる不安定化が懸念される中、アメリカの政府高官はブリンケン国務長官が、イスラエルなど中東各国の訪問に向けて、4日にも出発すると明らかにしていて、民間人の保護や戦闘拡大の防止に向けて協議するものとみられます。