フィリピン軍 米軍と南シナ海のパトロール開始 中国けん制か

フィリピン軍がアメリカ軍とともに南シナ海で合同パトロールを開始したと発表しました。アメリカ軍はパトロールに原子力空母を投入するなどしていて、両国で中国をけん制するねらいがあるものとみられます。

フィリピン軍は3日、アメリカ軍とともに、南シナ海の海域と空域で2日間にわたる合同パトロールを開始したと発表しました。

両国が南シナ海で合同パトロールを実施するのは、フィリピンのマルコス政権では去年11月に続いて2回目です。

今回、フィリピン軍は軍艦4隻を投入し、アメリカ軍は原子力空母の「カール・ビンソン」をはじめ、ミサイル駆逐艦2隻とミサイル巡洋艦1隻、それに複数の戦闘機を投入していて、前回よりも規模を拡大しています。

今回の訓練についてフィリピン軍の制服組トップ、ブラウナー参謀総長は「われわれの同盟はかつてなく強固になった。地域が挑戦に直面する中で、法に基づく国際秩序と自由で開かれたインド太平洋地域を進展させる」と述べ、両国で中国をけん制するねらいがあるものとみられます。

一方、中国軍で南シナ海を管轄する南部戦区は3日夜、3日から4日にかけて南シナ海の海域で定期的なパトロールを行うと発表し「部隊は常に高度な警戒態勢を維持していて、国家の主権と安全、海洋権益を断固として守る」として対抗する姿勢を示しています。