【医療・生活支援状況】被災地への支援の現状は

1日に石川県能登地方で震度7の揺れを観測した地震では、被災地支援の動きが始まっています。被災した地域では災害派遣医療チーム「DMAT」の医師や看護師などが全国各地から到着し、被災した病院や避難所などで1人でも多くの命を助けるための医療支援が始まりました。

一方、石川県によりますと、災害ボランティアの受け入れについて、県内の自治体は救助活動や避難所の対応などを優先しているため、災害ボランティアを受け入れる態勢が整っておらず、4日時点で募集は行っていないということです。受け入れ準備が整った自治体の情報などについては順次、県のホームページなどで発信する予定です。

医療や介護、食糧の支援や、金融機関や携帯大手などの動きをまとめました。

目次

【医療や介護の支援の動き】

愛知 岡崎で「緊急消防援助隊」編成 被災地に向け出発

愛知県の岡崎市消防本部は「緊急消防援助隊」を編成し、4日朝、石川県内の被災地に向けて出発しました。

出発したのはレスキュー隊員などあわせて17人で、今月8日まで石川県輪島市で被災した人の安否確認や救助活動などにあたります。

4日朝6時すぎに庁舎前で出発式が行われ、中根康浩市長が「現地は厳しい状況が伝えられています。体調を万全に管理しながら的確な支援を遂行してください」と激励しました。

このあと、隊員たちは被災地での活動に必要な資機材を車両に積み込み、石川県輪島市に向けて出発しました。隊長を務める中消防署の大野直也消防司令長は出発の前、NHKの取材に対し「悲惨な事態です。少しでも多くの命を守れるよう努力します」と話していました。

「DMAT」活動に道路被害が影響

石川県内では道路の被害も大きく移動に時間がかかることから、災害派遣医療チーム「DMAT」の活動にも影響が出ていると言います。

このうち、岐阜県などから派遣された複数のチームは、3日は能登町や珠洲市の避難所で活動を行う予定で、午前10時前に拠点を出発しましたが、道路の被害が大きく、能登町までの移動だけで5時間以上かかったほか、夜間の移動が危険なことから、珠洲市での活動は断念せざるを得ませんでした。

また、能登町の避難所で活動を行った後、けがをした人や持病が悪化した人など合わせて8人を金沢市内の病院に搬送しましたが、すべての作業を終えたのは日付が変わる午前0時近くになったということで、対応した医師は、道路などの復旧が遅れると、避難者の健康の維持に影響を及ぼしかねないとしています。

岐阜県の中部国際医療センターの山田実貴人副病院長は「避難生活が長引くことで体調を崩すケースもあるほか、薬が底を尽きかけている避難所もあるので、そうしたニーズを早く察知し、支援を続けるためにも海路での支援を検討するほか、道路の復旧を急いで欲しい」と話していました。

災害派遣医療チーム「DMAT」 80を超えるチームが集まる

災害派遣医療チーム「DMAT」は石川県七尾市にある公立能登総合病院に拠点を置いています。

3日午前9時までに富山県や岐阜県といった近隣の県を中心に、80を超えるチームが集まっています。

「DMAT」は被災した地域の病院の状況の確認や必要な物資の把握を行っているほか、避難所などで被災者のけがや体調の確認にあたっているということです。また、必要に応じて金沢市内の医療機関に患者を搬送しているということです。

富山 氷見 保健師が避難所を巡回 避難者の健康チェック

富山県氷見市では市内10か所の避難所に100人余りが避難していて、保健師が避難所を巡回し、避難者の健康チェックを進めています。

お年寄りなどおよそ50人が避難している「氷見市ふれあいスポーツセンター」には市の保健師が訪れ、避難している人たちの血圧を測ったり、体調に不安を抱えていないか尋ねたりしました。

長時間、同じ姿勢でいると「エコノミークラス症候群」を発症することが懸念されるということで、保健師はつま先やかかとを上げ下げしたり、足首を回したりするなど、軽い運動をして血流をよくするようアドバイスしています。

また、避難所では衛生環境が悪化し、感染症のリスクが高まるとして、アルコール消毒などを徹底するよう呼びかけていました。

妊婦健診 避難先の自治体でもできるよう通知 こども家庭庁

こども家庭庁は災害救助法の適用となった石川・新潟・富山・福井の4県の自治体の妊娠中の女性について
▽避難先の自治体でも妊婦健診が受診できるよう、新たに受診券を交付することや
▽妊婦健診や出産予定施設について、必要に応じて調整することなどを全国の自治体に通知しました。

厚労省 処方箋なくても薬受け取れるよう都道府県などに通知

厚生労働省は今回の地震で被災した人たちが、医師が出した処方箋を持っていなくても、医師の処方が確認できれば患者が薬を受け取れるようにするよう都道府県などに通知を出しました。

薬を受け取れる条件としては、地震の影響で交通手段がなくなったり、近くの医療機関が被災したりして医師の診察を受けることが難しい場合に、薬剤師が主治医などと電話などで連絡をとり、処方の内容が確認できることとしています。

そのうえで、さらにやむをえない場合の対応として、主治医などと連絡が取れなくても、処方内容が安定した慢性疾患によるものであることがお薬手帳や薬の包装などにより明らかな場合には、事後的に医師に処方内容を確認することを条件に処方を認めるとしています。

介護サービス 被保険者証なくても利用可能へ 厚生労働省

厚生労働省は今回の地震で被災した高齢者で介護保険の被保険者証を提示できない場合でも、介護サービスの利用を可能とするよう、災害救助法が適用された自治体がある4県に対し、通知を出しました。

また、高齢者が被災して介護サービスの利用料を支払えない場合には、市町村の判断で負担の減額や免除を認めるほか、65歳以上の高齢者が支払う介護保険料についても、減額や免除、それに支払いの延期を認めるとしています。

さらに、地震の後、自宅や通常の避難所での生活が難しい高齢者が出ることが想定されるとして、全国の市町村や介護事業者に対して、受け入れ態勢に余裕がある施設については、定員を超えても高齢者を受け入れるよう求めています。

定員を超えると、通常は事業者に支払われる介護報酬が減額されますが、今回の地震に関連した被災者などを定員以上に受け入れた場合は、減額はされないということです。

【食料や水 物資の支援の動き】

石川 災害ボランティア受け入れ態勢整わず

石川県によりますと、災害ボランティアの受け入れについて県内の自治体は救助活動や避難所の対応などを優先しているため、災害ボランティアを受け入れる態勢が整っておらず、4日時点で募集は行っていないということです。

県では業務のひっ迫を避けるため、役所や社会福祉協議会に電話で問い合わせをすることは控えてほしいとした上で、受け入れ準備が整った自治体の情報などについては順次、県のホームページなどで発信する予定です。

富山 射水 ボランティア応募殺到で一時受け付け停止

富山県射水市の社会福祉協議会に設けられた災害ボランティアセンターでは、地震で壊れた食器や家財道具の整理、がれきの撤去、液状化現象による泥のかき出しなどを手伝うボランティアの受け入れを4日午前10時から始めました。

窓口や電話、メールで募集したところ、午後3時の時点で、登録が100件を超えボランティアの派遣先などの調整が必要になったとして、一時的に受け付けを停止しました。

窓口を訪れ、団体で登録した射水市の田仲聡さん(38)は「これからも大好きな射水市でみんなと暮らしていくために、助け合っていきたい」と話していました。

射水市社会福祉協議会の野田智地域福祉課長は「市内だけでなく射水市出身で県外に住む人からの熱い思いを感じています。今後、被害を精査して行政などと連携しながら活動を進めていきたい」と話していました。

センターではボランティアが必要な人からの依頼は引き続き受け付けていて、電話番号は0766-55-5202です。

富山県内ではほかに高岡市や小矢部市でも募集が始まりましたが、小矢部市も一時停止したということです。

農水省 パックごはんなど約24万食分を発送 各地の避難所へ

能登半島地震の被害を受けて農林水産省は4日午前、坂本農林水産大臣や幹部らが出席して対策本部の会議を開き、被災地への食料支援に引き続き取り組む方針を確認しました。

会議では石川県からの要請を受けて、3日までにパンやパックごはん、即席麺があわせておよそ24万食分、粉ミルクおよそ500個が発送されたことが報告されました。

金沢市内の中継地点にすでに届いていて、各地の避難所などに送られる予定です。

また、4日中に飲料水19万本が避難所などに向けて新たに発送される予定だということです。

伊藤忠商事 避難所などに向け おにぎり3万3000個など配送予定

大手商社の伊藤忠商事の岡藤正広会長は報道陣の取材に対し、能登半島地震の被災地に食料などの救援物資を迅速に届けたいという考えを示しました。

会社によりますと、傘下の大手コンビニ、ファミリーマートは石川県内に246店舗あり、地震の影響で臨時休業を余儀なくされる店舗が相次いでいます。

復旧が進んで営業再開の店舗は増えていますが、4日午前8時の時点で県内で休業しているのは33の店舗となっています。

会社では国などの要請を受けて、3日から石川県内の避難所などに向けた物資の配送を始めています。5日までにパンを1万782個、おにぎりを3万3000個、それにペットボトルに入った飲料水を5万5296本、配送する予定だということです。

このほかのコンビニ大手も国などの要請を受けて物資を順次配送しています。

このうち、セブン-イレブンは3日に石川県七尾市や富山県氷見市に飲料水を届けたということです。ローソンは石川県内の被災地に食料のほか、生理用品やカイロなども送る予定だということです。

総務省 被災した自治体に専門知識のある職員などの派遣を調整

被災した自治体を支援するため、総務省は災害が起きた時のマネジメントに関する専門知識のある職員や、避難所などの運営にあたる職員をほかの自治体から送り込む調整にあたっています。

総務省によりますと、4日の午前中までに、石川県の七尾市、輪島市、珠洲市など7つの自治体への支援が決まっているということで、随時、ほかの自治体から現地に入って活動を始めているということです。

松本総務大臣は記者会見で「災害が起きると行政へのニーズが大きくなる一方で、人員は厳しい状況にあり、人材の確保は重要だ。まずは1つの自治体に20人ほどの応援になる。全国の自治体からも応援に前向きな話も来ているので、速やかに派遣できるようにしていく」と述べました。

農水省 2日からパックごはんや粉ミルクなど発送開始

農林水産省は3日午前、今回の地震を受けた対策本部の会議を開き、坂本農林水産大臣が被災者への食料支援を引き続き迅速に行うよう指示しました。

農林水産省によりますと、石川県からの要請を受けて、2日から被災地に向け、パンやパックごはん、即席麺や粉ミルクの発送を始めたということです。

このうち、一部は石川県内の中継地点に到着していて、今後、各地の避難所などに届ける予定だということです。

新潟市 「土のう袋」配布 たまった土砂や泥を撤去するため

地震の影響で液状化現象によるとみられる被害が相次いでいる新潟市では、たまった土砂や泥を撤去するための「土のう袋」を配っています。

「土のう袋」を配っている場所は、
▽中央区役所総務課、▽西区役所総務課、▽黒埼出張所、▽西出張所です。

配る時間は平日の午前9時から午後5時まで、ただし西区役所、黒埼出張所、西出張所では6日から8日の3日間も配るとしています。

土のう袋は業者が順次、回収するということで、通行の妨げにならない場所に置くよう呼びかけています。

新潟市は土砂や泥を撤去する場合は、側溝に流してしまうと下水管が詰まりやすくなってしまうとして、土のう袋に入れて回収するよう協力を呼びかけています。

石川 支援物資受け入れ担う“専門チーム”立ち上げ 発送作業へ

石川県は2日、全国各地から届いた緊急物資の受け入れや被災地に向けた配送の調整を行う専門のチームを立ち上げました。

金沢市内には国や自治体、それに災害時の協定を結んでいる企業などから届いた物資を集約する拠点が設けられ、パンや飲料水、携帯トイレなどが次々と運び込まれていました。

一方、輪島市や珠洲市は道路が被害を受けた影響で、4トン以上のトラックが通れないため、自衛隊のヘリコプターで運んでいるということで、午後3時半ごろにも輪島市に向けてパンを積んだヘリが飛び立っていました。

チームでは今後、自治体ごとの詳細な支援物資のニーズや、どのような車両やルートなら陸路で物資を運べるかなど、情報の整理を進めていくことにしています。

石川 志賀町 ブルーシートなど配布 給水を開始

石川県志賀町は3日から災害用のブルーシートと土のう袋の配布をはじめ、住民が役場に受け取りに訪れていました。

また、志賀町はほぼ全域で断水が続いていることを受けて、町内2か所で給水を始めました。

このうち、町役場近くの施設では、訪れた住民たちが用意した容器に自衛隊の車両から給水していました。

【金融機関の動き】

生命保険各社 保険料支払いを最長で6か月猶予

今回の地震を受けて、生命保険各社は、災害救助法の適用が決まった石川県、新潟県、富山県、福井県の自治体の被災者を対象に、保険料の支払いを最長で6か月、猶予することになりました。

また、保険金などの速やかな支払いに向け、必要な書類を一部省略するとしています。

このほか、生命保険協会として、「契約していた生命保険会社が分からない」などといった相談にもフリーダイヤルで応じることにしています。

電話番号は0120-001731で、平日の午前9時から午後5時まで受け付けるということです。

ゆうちょ銀行 通帳や印鑑などない場合でも貯金など払い戻しへ

▼「ゆうちょ銀行」は今回の地震で被害を受けた人に対し、通帳や印鑑、キャッシュカードがない場合でも、本人確認ができれば窓口で貯金などの払い戻しに応じます。

4日から2月5日までの期間、窓口業務を行っている全国の郵便局とゆうちょ銀行の店舗でひとりあたり20万円まで払い戻しに応じます。

▼「かんぽ生命」は保険証券などの必要な書類がなくても保険金の支払いに応じるほか、保険料の支払いについても、最長で6か月間猶予するとしています。

ただ、日本郵便では現在、石川県の七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、中能登町、穴水町、能登町にある107すべての郵便局を含む、新潟市と石川県のあわせて115の郵便局で窓口業務を停止していて、この郵便局ではゆうちょ銀行とかんぽ生命の窓口業務も停止しています。

ゆうちょ銀行とかんぽ生命の今回の取り扱いの対象となるのは、現在、災害救助法が適用されている新潟県、富山県、石川県、福井県の一部の自治体で、今後、適用地域が広がった場合にも同じ対応を行うということです。

日本損害保険協会 保険料払い込みを最長6か月間猶予と発表

今回の地震を受けて日本損害保険協会は、災害救助法が適用された地域で被害を受けた人に対し、保険料の払い込みを最長で6か月間猶予するなどの特別措置を発表しました。

対象となるのは火災保険や自動車保険、それに傷害保険などの各種保険で、自賠責保険は対象から外れます。

特別措置では、契約を更新する手続きと保険料の払い込みについて災害救助法が適用された日から最長で6か月間、ことし7月末まで猶予するとしています。

ただし、損害保険会社によって猶予の期間が異なることもあるため、契約者は自分が契約している損害保険会社や保険代理店に確認するよう呼びかけています。

通帳・印鑑紛失でも預金払い戻しを要請 財務局など

今回の地震で北陸財務局と関東財務局は、それぞれ日銀とともに、災害救助法が適用された石川県、富山県、福井県それに新潟県の被災者に適切に対応するよう、各金融機関に要請しました。

このうち、銀行や信用金庫などに対しては、預金者が通帳を紛失した場合でも本人であることが確認できれば預金の払い戻しに応じることや、印鑑が無くても指印で対応するよう求めています。

そして、事情に応じて定期預金や定期積金の期限前の払い戻しに応じることを求めています。

また、証券会社に対しては、有価証券を紛失した場合の再発行手続きに協力し、証券の売却などの申し出があった場合には可能な限り払い戻しに応じてほしいとしています。

さらに、生命保険会社や損害保険会社に対しては、保険証券や印鑑を紛失した場合でも保険契約内容が確認できれば可能な限りの対応をとることや、保険金の支払いをできるだけ迅速に行うよう配慮を求めています。

【通信サービスなど 支援の動き】

携帯大手4社 料金減免など支援措置

携帯大手4社は地震で被災した利用者を対象に支援措置を行うと発表しています。

▽NTTドコモは固定通信サービスの基本料金の減免や修理費用の無料化や減額、利用可能なデータ通信量を超えた場合の通信速度制限の解除、

▽KDDIは固定通信サービスの基本料金の減免や携帯電話サービスの利用料金の支払い期限の延長、破損や故障、紛失の手続きの減免、▽利用可能なデータ通信量を超えた場合の通信速度制限の解除、

▽ソフトバンクは固定通信サービスの基本料金の減免や携帯電話サービスの利用料金の支払い期限の延長、修理費用や機器交換の無償化など、

▽楽天モバイルはSIMカードを再発行する際の手数料の無料化や、利用料金の支払い期限の延長などをそれぞれ実施するとしています。

【住宅などの支援】

新潟 上越 “り災証明書”の発行開始 公的支援受ける際に必要

今回の地震で震度5強を観測した上越市では、屋根の瓦が落ちたり、壁が壊れるなどして、3日午後3時までに103件の住宅被害が確認されています。

上越市では4日から「り災証明書」の発行が始まり、午前中から被災した人たちが市役所を訪れていました。

「り災証明書」は被害の度合いを証明する書類で、自治体による調査をもとに交付され、住宅の被害を受けた人を対象に、さまざまな公的支援を受ける際などに必要となります。

証明書の発行は平日は毎日受け付けていますが、事前に現地での調査が必要なことから、申請する前に市の災害対策本部に被害状況の連絡をしてほしいとしています。

富山 高岡市 「応急危険度判定」開始 住宅倒壊のおそれなど確認

震度5強を観測した高岡市では、各地で住宅が傾いたり道路が液状化したりする被害が出ています。

3日朝から市の職員10人が地域を回り、被災した住宅に倒壊するおそれなどがないか確認する「応急危険度判定」を始めました。

このうち、高岡市の伏木古国府では、「判定士」の資格を持つ職員が被災した住宅や店舗などを訪ねました。

2階建ての飲食店は軒先の瓦が落ちそうになるなどしていて、職員は建物が傾いていないかや、屋根や壁から落ちそうなものがないか慎重に確認していました。

調査を終えた職員は判定結果を記した紙を建物の外壁に貼っていきました。

市は最も危険度が高い「危険」と判定された住宅には立ち入らないようにするほか、「要注意」とされた住宅には十分注意して立ち入ってほしいとしています。

「調査済み」とされた住宅は使用が可能だということです。

【被災企業への支援】

政府系金融機関や信用保証協会 中小企業などの資金繰りを支援

能登半島地震で被害を受けた地域の中小企業に対し、政府系金融機関や信用保証協会では資金繰りの支援を行います。

▼日本政策金融公庫や▼商工中金=商工組合中央金庫は「災害復旧貸付」として、復旧に必要な資金を通常の融資とは別枠で、1億5000万円を上限に貸し付けます。

▼信用保証協会は中小企業が金融機関から復旧資金の融資を受ける際に2億8000万円を限度に返済を100%保証する、「セーフティネット保証4号」と呼ばれる特別措置を実施します。

また、これらの金融機関では特別相談窓口を設置して、被災した中小企業を対象に新たな融資や返済の延期などに関する相談を受け付けます。

対象となるのは災害救助法が適用された新潟県、富山県、石川県、福井県の各市町村の中小企業や小規模事業者です。

経産省 政府系金融機関に柔軟な対応要請

経済産業省は被災した中小企業などでは資金繰りが厳しくなるおそれがあるとして、政府系金融機関に対して柔軟な対応を要請しました。

要請では▽日本政策金融公庫▽商工中金=商工組合中央金庫▽信用保証協会に対して、相談を寄せた中小企業などに窓口で親身に対応することや適切な貸し出しを行うこと、それに債務の返済期限を延ばすなどの条件変更について、柔軟に対応するよう求めています。