社会

北九州 小倉北区飲食店火災 35店舗 約2900平方メートル焼ける

3日、北九州市中心部の飲食店街で起きた火災は、発生からおよそ13時間後の4日明け方にほぼ消し止められましたが、消防によりますと、合わせて35店舗、延べ2900平方メートルが焼けたとみられるということです。これまでのところ、けが人の情報はなく、警察と消防が火事の原因を調べています。

3日午後3時すぎ、北九州市小倉北区魚町1丁目の飲食店などが密集する「鳥町食道街」の付近から火が出て、周辺の建物に燃え広がりました。

消防車30台余りが出て消火にあたり、火はおよそ13時間後の4日午前4時ごろにほぼ消し止められました。

4日、消防が発表した被害状況に関する速報値によりますと、「鳥町食道街」を中心に合わせて35店舗、延べおよそ2900平方メートルが焼けたということです。

これまでのところ、けが人の情報はないということです。

4日、現場では、消防が重機でがれきを移しながら、火だねが残っていないか確認を進めていました。

「鳥町食道街」は戦後、北九州市で最初につくられた飲食店街とされ、長さ60メートルほどの路地に、昭和の風情が感じられる木造の店が軒を連ねています。

中には作家の松本清張ゆかりの中国料理店などもあり、市民や観光客などに親しまれてきました。

警察によりますと、火元とみられる飲食店の関係者は「鍋から火が出た」と話していたということで、引き続き、火事の詳しい原因を調べています。

4日午前9時半ごろ 上空から見た現場は

4日午前9時半ごろにNHKのヘリコプターが撮影した映像では、「鳥町食道街」の一帯の建物が元の形をとどめないほど激しく焼けている様子が確認できます。

また、西側に隣接する「魚町銀天街」のアーケードも一部で屋根が焼けているほか、南側に隣接するビルの側面も屋上付近まで黒くなっていて、火災の激しさがうかがえます。

一夜明けた現場と住民の様子は

火は4日午前4時ごろにほぼ消し止められましたが、現場では朝になっても周りのビルの上などから放水活動が続けられていました。

規制線が張られたエリアは縮小されたものの、依然、現場近くに立ち入ることはできず、許可を得たうえで、自宅に荷物などを取りに戻る人の姿が見られました。

近くのビルに自宅がある80代の女性は「3階にある自宅から見ていたら、煙が出て火の手が上がったのですぐに逃げ出しました。許可を得て薬などの荷物を取りに戻ったところ、自宅は無事でしたが、周りは一面水浸しでした。旦過市場の火災を連想しました」と話していました。

「鳥町食道街」については、「ランチや食事に行っていて、昭和のレトロな雰囲気で親しみやすい場所でした。無くなってしまうのは悲しくて涙が出ます」と話していました。

また、近くで飲食店を経営する男性も様子を見に訪れ、「火事が起きたのはきのうの仕込みの最中で、かなり煙が上がって騒然としていました。年始で予約も入っていたのでダメージが大きいし、お客さんにも迷惑をかけてしまい申し訳ないです」と話していました。

隣接ビルで働く女性「職場に入れずどうしたらいいか分からない」

鳥町食道街に隣接するビルの8階で働く20代の女性は「きょうから仕事でしたが、職場がある場所は規制線の中で、警察官から入れないと言われました。職場からの指示もなく、どうしたらいいか分からない状態です」と話していました。

美容室の経営者「店の電気系統などに影響が出ていないか心配」

鳥町食道街のすぐ近くにあり、規制線が張られたエリアで美容室を経営する坪田秀樹さんは「ハサミだけでも取りに行けないかと思い、店の様子を見に来ました。成人式も近く、予約も入っていたので残念です。火災で店の電気系統などに影響が出ていないか心配です」と話していました。

町内会の会長「やるせない気持ち」

被災した店舗の一部が加盟する米町第二町内会の会長で、カラオケ店を経営する河野一郎さんは「商店主たちはコロナも落ち着いて、暮れと正月を盛り上げていこうとしていたやさきで出鼻をくじかれ、やるせない気持ちです。町内会はほぼ飲食店なので、この先も飲食店として再開できるように協力しあっていくしかないです」と話していました。

経営するカラオケ店は被災を免れましたが、4日朝の段階では周辺への立ち入りが規制されていたということです。

河野さんは「きのうは店内に80人ほどいて、全員急いで避難してもらったので、財布や携帯電話など置きっぱなしです。すすのにおいがついていると思うので、すぐの営業再開は難しいです」と話していました。

武内市長「火災は残念 今後も火との戦いを徹底的にやっていく」

北九州市の武内市長は4日午前、火災現場を訪れました。

武内市長は現場で消防などから説明を受けながら、「鳥町食道街」で多くの建物が焼けた様子を確認したほか、隣接する商店街の「魚町銀天街」でも焼けた建物などを確認していました。

このあと、武内市長や消防の幹部が記者団の取材に応じ、被害状況について、「鳥町食道街」を中心に合わせて35店舗、およそ2900平方メートルが焼けたという速報値を明らかにしました。

一方、これまでのところ、けが人の情報はないとしています。

武内市長は今回の火災について「おととしの旦過市場の火災以降、防火活動の強化を進める中で、このような火災が起きたことは残念でならない。今後も火との戦いを徹底的にやっていきたい」などと述べました。

また、北九州市消防局の幹部は消火活動について、「木造の建物が多かったことと通路の入り口が2つしかなかったことで活動が困難だった。通路も狭く活動を制限していた」などと述べました。

北九州市は緊急対策本部を設置

火災を受け、北九州市は緊急対策本部を設置し、4日朝、幹部や関係部署の担当者が出席して1回目の会議が開かれました。

会議は冒頭のみ公開され、武内市長が「北九州市の顔として長い歴史を持ち、多くの市民に愛されている魚町、鳥町食道街が火災に見舞われ、大変胸を痛めている。被災された方々に寄り添い、少しでも不安を解消できるよう市が一丸となって迅速に対応していきたい」と述べました。

会議では、このあと、市役所に相談窓口を設置して、被災した店舗の営業再開支援にあたっていくことなどを確認したということです。

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