「TKB+W」 避難所運営の質を高めるキーワード

過去の災害で避難生活が原因で亡くなる災害関連死が相次いだことを受けて、避難所・避難生活学会の医師や専門家たちが掲げているのが「TKB+W」です。「トイレ・キッチン・ベッド」そして、「ウォーム(暖房)」の頭文字をとったもので、避難所運営の質を高めるためのキーワードとされています。

T=トイレ:安心して利用できるトイレの環境を確保する

災害時には断水でトイレが使えなかったり、衛生的でなかったりするほか、外に設置された仮設トイレに行くのを避けるケースが報告されています。

しかし、トイレに行くのを控えたり、水分や食事を取る量を減らしたりしてしまうとさまざまな病気の原因となることが指摘されています。

このため安心して利用できるトイレの環境を確保することが大切です。

体育館など屋内の便器に紙おむつなどの凝固剤をいれた袋をかぶせると用を足したあと一回ずつ縛って捨てることができ、水を使わず、トイレを汚さずに使うことができます。

K=キッチン:温かい食事を確保する

次に、キッチン=食事です。

炊き出しが行われていない避難所では、「冷たい食事」が続くことが多くなります。

特に高齢者にとっては冷たい食べ物はなかなか飲み込めず食欲が減退してしまうので、体力が低下して病気のリスクが高まるということです。

効果的なのは炊き出しによる食事の提供ですが、避難所の運営者がキッチンカーを手配するなどして温かい食事を確保することも対策としてあげられていて、キッチンカーを運営する業者と災害時の協定を結ぶ自治体も増える傾向にあります。

B=ベッド:暖かくして過ごす

避難所の冷たい床で過ごすと体温が奪われて低体温症となったり、ほこりなどを吸って肺炎にかかったりするリスクがあります。

さらに固い床では熟睡できずにストレスがたまるだけでなく、血圧の上昇によって循環器系の疾患のリスクも高まるということです。

例えば、段ボールでできたベッドを使用したり、床に毛布やマットを敷いたりして暖かくして過ごすことが大切です。

W=ウォーム(暖房):暖房機器を確保する

特に冬の避難生活では低体温症などの危険性があり、暖房機器の確保が欠かせません。

避難所が寒いと眠れなくなったり眠りが浅くなったりするため、体力が低下してさまざまな病気のリスクが高まるとしています。

避難所・避難生活学会の代表理事を務める宮城県の石巻赤十字病院の植田信策副院長は「自治体の人口の半数近くが避難所で生活しているとの話も聞いている。関連死を防ぐために避難所の生活環境を整えることとあわせて、被害の少ない地域の宿泊施設を活用するなどより安全な場所へ移っていく広域避難も検討したほうがよい」と話しています。