【衛星画像も】 津波の浸水域は少なくとも100ha以上に 国交省

今回の能登半島地震で、国土交通省が石川県珠洲市と能登町を上空から撮影した画像を分析した結果、津波の浸水域が少なくとも100ヘクタールにのぼっていることが分かりました。津波は日本海側の各地に到達していますが、広域での分析は出来ておらず、浸水範囲は更に広いとみられます。

国交省 防災ヘリ撮影の画像で浸水範囲を調査

国土交通省は2日、石川県の防災ヘリが撮影した上空からの画像をもとに、能登半島の珠洲市と能登町の津波の浸水範囲を調べました。

その結果、珠洲市の
▽三崎町寺家で11ヘクタール
▽飯田町飯田港で15ヘクタール
▽宝立町南黒丸で6ヘクタール
▽宝立町春日野と鵜飼で30ヘクタール
能登町の
▽松波で7.8ヘクタール
▽布浦と九里川尻で27ヘクタール
▽白丸で4.6ヘクタール
▽宇出津で5.4ヘクタールと
合わせておよそ100ヘクタールの範囲で浸水が確認されたとしています。

家屋の被害や浸水の深さは分かっていません。

今回の地震では日本海側の広域に津波が到達しています。

国土交通省は「まだ分析できていない地域も多く、津波の浸水範囲はさらに広いとみられる」としています。

【衛星画像でも被害を確認】

津波による被害はアメリカの「マクサー・テクノロジーズ」社の人工衛星で撮影された画像でも確認できます。

浸水が確認された珠洲市の宝立町春日野と鵜飼周辺では

国土交通省の分析でおよそ30ヘクタールにわたり、津波の浸水が確認された珠洲市の宝立町春日野と鵜飼周辺を1月2日に撮影した画像です。

2年前に撮影された画像と比較すると、当時、写っていた建物の屋根のうち一部の区画でいくつかの屋根が写っていません。

今回の津波で流されたのかどうかはわかっていませんが、かつて屋根が写っていた区画では、がれきが散乱しているような様子も確認できます。

同じ場所を別の角度から撮影した画像では、画像左側の内陸側では道路や路地をはっきりと判別できるのに対し、海岸側では一面が黒くなっていて道路を判別しづらくなっています。

また、海岸沿いに並んだ建物に沿うように津波のあとに残されたがれきのようなものが確認でき、いくつかの建物が傾いたり斜めになったりしているような様子も見てとれます。

鵜飼漁港 がれきのようなものや岸壁に乗り上げた船

また、同じ1月2日に鵜飼漁港を撮影した画像でも、港の建物の周りで道路が判別しづらかったり、がれきのようなものが見られたりするほか、岸壁に船が乗り上げている様子も確認できます。