台湾上空に中国の気球飛来相次ぐ 台湾総統選挙前に揺さぶりか

台湾国防部は、中国の気球4つが2日飛来し、このうち3つが台湾本島の上空を通過したと発表しました。台湾では、来週土曜日に投票が行われる総統選挙を前にした中国の揺さぶりという見方も出ています。

台湾国防部の3日午前の発表によりますと、2日の朝から夜にかけて中国から飛来した気球4つが台湾海峡の「中間線」を越え、このうち3つが台湾本島の上空を通過しました。

台湾国防部は毎朝、直近の24時間に台湾周辺の上空で確認した中国軍機の動向を発表していますが、12月からは中国から飛来した気球の数も明らかにするようになりました。

12月の発表はすべて、周辺海域の上空に飛来したものでしたが、年が明けてからは2日連続で台湾本島の上空を通過したことを確認しました。

また、台湾国防部は、2日まではこれらの気球について「気象観測用と見ている」としていましたが、3日の発表では見方を示していません。

中国の気球の飛来が相次いでいることについて、台湾では、来週土曜日に投票が行われる総統選挙を前にした中国の揺さぶりという見方も出ています。

台湾国防部は以前から、冬場には風向きの関係で中国から飛来する気球が増える傾向があるのを把握していたということで、毎日発表する姿勢に転じたことについて「われわれが状況を把握していることを台湾の人たちに知ってもらい、中国が不確かな情報で認知戦を仕掛ける機会を減らすためだ」と説明しています。